2007年10月24日(水)「しんぶん赤旗」

データ改ざん製紙2社

補助金企業が自民献金

市田氏が「税金還流」批判

参院環境委


写真

(写真)質問する市田忠義議員=23日、参院環境委

 日本共産党の市田忠義書記局長は二十三日、参院環境委員会で、大気汚染などの排出データ改ざんが発覚して問題になっている製紙会社二社が、環境対策として国から補助金の交付を受け、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に対し、二〇〇六年に計千六百万円を献金している事実を示し、「税金の還流はやめるべきだ」とただしました。鴨下一郎環境相は「事実関係を調査して、お話ししたい」と約束しました。

 環境ビジネス、環境対策で補助金を受給する企業による献金問題では、市田氏が質問で取り上げた製紙会社二社を含む大企業二十社が、〇六年に国民政治協会に計一億一千万円以上を献金していたことが明らかになっています(本紙九日付)。

 いずれも政治資金規正法で禁じられた補助金交付から一年以内の献金です。

 市田氏が取り上げたのは「新エネルギー事業者支援対策事業」で補助金を受けている大手製紙会社、日本製紙と王子製紙。二〇〇六年に日本製紙が五百万円を、王子製紙は千百万円を国民政治協会に献金しました。製紙業界では今年九月、十三社二十工場で排出基準超過が、五社九工場で排出データ改ざんが発覚しています。二社も改ざんを行っていました。

 市田氏の質問に、経済産業省の上田隆之省エネルギー・新エネルギー部長は、〇五、〇六年の二年間に日本製紙が計四工場で、王子製紙が計三工場で補助金を受けていると具体的に答弁。市田氏は「国民の税金が(補助金受給企業の)献金のかたちで政党に流れる。こんなことが許されていいのか」と批判しました。

 データ改ざんについて問われた鴨下環境相は「事業者に対して厳正に対処していく」と答弁しました。

 市田氏は不正行為の大本に「規制緩和や法令の不備」があると指摘し、法令にデータ改ざんの罰則がないことなどをあげて「不十分な法令の見直しを行うべきだ」と主張。環境省の竹本和彦水・大気環境局長は「企業全体としてとらえ、法制的・効果的な対策をしなければならない」と述べました。



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