2007年10月21日(日)「しんぶん赤旗」

気候変動 取り組み強化

EU首脳会議閉幕 市場監視でも合意


 【リスボン=中村美弥子】ポルトガルの首都リスボンで開かれていた欧州連合(EU)非公式首脳会議は十九日、気候変動への取り組みを一段と強化する方針を確認し、二日間の討議を終えました。また、米国の低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題をきっかけにした金融市場の混乱を受け、EU各国財務相や欧州委員会、欧州中央銀行に対し、市場の監視継続を要請することで合意しました。

 首脳会議は気候変動問題をめぐり、十二月にインドネシア・バリ島で開かれる気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)を成功させることが重要との点で一致。欧州委員会のバローゾ委員長は閉幕後の記者会見で「国連の枠組みと拘束力、強制力のある目標は正しい方向性だ」と述べ、EUが引き続きこの問題で世界を主導していく意思を示しました。

 一方、市場の監視強化について、EU議長国ポルトガルのソクラテス首相は会見で「EUの経済基盤は引き続き力強い」としながらも、リスク管理にいっそう力を入れる必要があると強調しました。

 この問題で、メルケル独首相、サルコジ仏大統領、ブラウン英首相は同日、金融市場を健全に活動させる上で市場の透明性が欠かせないと強調する共同声明を発表。EU加盟国の財務相に対し、投機的基金(ヘッジファンド)によるリスクの回避策など市場監視の強化策を来年三月までにまとめるよう求めました。



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