2007年10月18日(木)「しんぶん赤旗」

世田谷国公法弾圧事件

逮捕手続きは不適切

本人証言で明らかに


 休日に職場から離れた集合住宅に「しんぶん赤旗」号外を配った厚生労働省職員の宇治橋眞一さん(59)が、住居侵入容疑で逮捕され、不当に国家公務員法違反罪に問われている「世田谷国公法弾圧事件」の第十五回公判が十七日、東京地裁(小池勝雅裁判長)でありました。宇治橋さんは配布当日の状況を詳しく証言。逮捕手続きが適切に行われていなかったことが明らかになりました。

 この事件で検察側は「宇治橋さんは集合住宅で、居住者である警察官に現行犯逮捕された」と主張。弁護側は「ビラ配布という犯罪でない行為で連行し、国家公務員だとわかると国公法違反での立件を決めた上、『現行犯逮捕されていた』と虚偽のストーリーを作った」と主張しています。

 宇治橋さんは「同住宅では『逮捕する』と告げられていない。『とにかく署で話を聞く』と言われ、パトカーに乗せられた」と証言。▽所持品の検査もされず、パトカー内ではかかってきた携帯電話で通話していること▽世田谷署の取調室でも携帯電話で通話したこと―などを述べ、現行犯逮捕の事実はなく、任意の状態だったことを明らかにしました。

 宇治橋さんは取調室で捜査員に「荷物を見ていいですか」と聞かれ、同意したと証言。国家公務員の身分を示す健康保険証を捜査員が見た後、初めて「逮捕する」と告げられたと語りました。

 同署警備課公安係長の肩野東海男警部補(当時)が公判で「(取調室で)最初に宇治橋さんに逮捕の事実を告げ、黙秘権や弁護士を呼ぶ権利を説明した」と証言しています。これについて、宇治橋さんは「そんなことは言っていない。公務員でありながら法廷で偽証した」と批判しました。


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