2007年10月18日(木)「しんぶん赤旗」

自民ぐるみ選挙 無反省

会報で「屈辱の日」 政治連盟と一体強調

日本栄養士会


 さきの参院選で自民党比例候補を擁立、組織ぐるみで選挙活動をおこなったにもかかわらず、当選にいたらなかった日本栄養士会。会員向け会報で同会幹部が、敗北の「悔しさ」をバネに政治団体である日本栄養士連盟とのいっそうの一体化を強調するなど、選挙結果に無反省であることがわかりました。


 日本栄養士会は、東京都千代田区神保町に事務所を置く職能団体。参院選では、管理栄養士の丸茂ゆきこ氏を組織内候補として擁立し、日本栄養士連盟と一体となって、栄養士会の会員にたいして、自民党への入党や後援会入会、四人以上の賛同者確保、一口千円以上のカンパ―をノルマとして示すなど、猛烈なぐるみ選挙を展開しました。

批判を受け落選

 ところが、会員のなかから、「政党支持の自由を侵害するもの。職能団体と政治団体はきちんと区別すべきだ」といった批判の声もあがり、丸茂氏は、六万六千四百七十五票を獲得したものの落選しました。

 栄養士会の無反省ぶりが明らかになったのは、会報『栄養日本』九月号の巻頭記事「神保町だより」。同会専務理事の二見大介氏が、「日本栄養士会の社会的力量について考える」と題して、七月二十九日の投開票日を「決して忘れることのできない『屈辱の日』として記憶に留めるであろう」「日本栄養士会はこの選挙という戦いに負けたのである」などと書き連ねています。

 このなかで、「日本栄養士会と日本栄養士連盟は一体である」として、「日本栄養士会の力はこんなものではないはずである。次の機会には、この一体感をさらに高め、今回の悔しさをバネに再度挑戦できる、環境整備を今から始めなければと思う」とのべています。

関係区別の通達

 しかし、日本歯科医師連盟(日歯連)をめぐるヤミ献金事件など、職能団体とその政治団体のあり方については、厚生労働省が所管する関係団体にきちんと区別するよう通達を出すなど、厳しく問われています。

 埼玉県内の管理栄養士の女性(44)は、「こんな記事が、会報の冒頭に掲載されるなんて、怒りを覚えました。いま、学校給食でも一校に一人の栄養士が望ましいのに、二、三校かけもちとか、病院でも医療費抑制策のもとで、栄養士は厳しい労働条件で働いています。こうしたことに光をあてるのが、本来なのに、特定の政党を応援するようなことは許せません」と話しています。


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