2007年10月11日(木)「しんぶん赤旗」
堀越さんの無罪主張
国公法弾圧事件 控訴審始まる
東京高裁
休日に自宅近くで「しんぶん赤旗」号外などを配った社会保険事務所職員の堀越明男さんが、国家公務員法に違反したとして東京地裁で不当に有罪判決を受けた「国公法弾圧堀越事件」の控訴審第一回公判が十日、東京高裁(高橋省吾裁判長)で開かれました。弁護側が控訴趣意書に基づき、意見を陳述。公安警察の違法捜査や国公法規定の違憲性、地裁判決の論理破たんなどを指摘し、公訴棄却と無罪を主張しました。
冒頭、弁護団が新たに作成した、警視庁公安部の捜査員が堀越さんを執ように尾行・盗撮する様子を再現したDVD映像が上映されました。
弁護側は、公安警察がのべ百七十一人の捜査員を動員し、二十九日間も堀越さんを尾行していたことを指摘。「証拠収集の範囲を超えた違法捜査であることは明白。捜査に名を借りた公安警察の情報収集活動だ」とし、検察側が拒んでいる残りの盗撮ビデオ二十四本の開示を強く求めました。
地裁判決は、堀越さんのビラ配布を「政治的偏向の強い行動であり、公務員の政治的中立性を損なうおそれが強い」としました。弁護側は「求められるのは職務を遂行する上での政治的中立性。それを、私生活においても中立性が要求されるかのようにすり替えている」と批判しました。
国家公務員の政治活動を広範に規制している国公法と人事院規則についても「違憲」と主張。堀越さんが「憲法に基づき、公正な判決を望む」と意見を述べました。
堀越さんは東京都中央区内の集合住宅などにビラを配布したとして、二〇〇四年三月に逮捕されました。昨年六月、罰金十万円、執行猶予二年の判決を受け、控訴。検察側も執行猶予を不服として控訴しています。