2007年10月10日(水)「しんぶん赤旗」

ばい煙排出で調査

紙議員ら 日本製紙・王子製紙に

釧路


 北海道釧路市の日本製紙と王子製紙が大気汚染防止法の基準値を超す有害物質を含んだばい煙を排出していた問題で、日本共産党の紙智子参院議員は九日、現地を調査しました。市田忠義書記局長秘書の佐々木勝吉氏と真下紀子道議、梅津則行釧路市議、畠山和也道政策委員長らが参加しました。

 日本製紙と王子製紙の釧路工場は、少なくとも記録保存義務のある過去三年分、基準値を超えた窒素酸化物(NOx)を排出。紙氏らは、両工場内でボイラー室や操作室で、排出物質の記録や管理状況を調べました。

 日本製紙は計測データを日報にまとめるときに改ざんしており、違反が判明してからも一年間、行政に報告していませんでした。紙氏は「違反がわかった時点で報告し、適切な指導を受けるべきだ。誰が指示して改ざんが行われたのか明らかにされておらず、問題点が残っている」と指摘しました。

 ボイラー設計時に想定されていなかったRPF(古紙・プラスチックを原料とした固形燃料)を使用しており、管理が難しくなっていたこともわかりました。

 王子製紙では、山北篤史工場長が説明しました。釧路市との協定項目以外の数値をプリントアウトしておらず、違反が人目に触れないようになっていました。

 紙氏らは、道釧路支庁と釧路市からも事情を聞き、王子製紙の工場周辺の住民と懇談し、八月に発生したばいじん被害の様子を聞きました。

 紙氏は「企業の法令違反やデータ改ざんが続いている。公害問題を過去のものと考えず、不正を発見できるチェック体制づくりに力をつくしたい」と語りました。


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