2007年9月26日(水)「しんぶん赤旗」

国連会合

NGOが討論参加

温暖化防止 京都議定書の意義強調


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(写真)国連本部で記者会見し、バリ会合で「バリ・マンデート(公約)の合意を」と訴える環境NGOの代表たち=24日、ニューヨーク(鎌塚由美撮影)

 【ニューヨーク=鎌塚由美】国連本部で二十四日に開かれた気候変動ハイレベル会合には、市民社会の一員として環境NGO(非政府組織)も討論に加わりました。国連本部で記者会見したNGOの代表は、京都議定書による温室効果ガス削減の重要性を強調しました。

 今回の会合で環境NGOは、政府代表と同様に発言の機会が与えられました。開会会合では、若者を代表してカナダのキャサリン・ゴーティエさん(18)が発言。出身地モントリオールでの気候変動枠組み条約第十一回締約国会議(COP11)でも各国政府に温暖化防止に真剣に立ち向かうように求めたことを紹介しながら次のように訴えました。

 「私たちや、私たちの子どもたちの未来について語ることは決して古くならない。あなたたちは私たちの未来を守る力があり、その責任がある。私たちは力をあわせて、今こそ行動しなくてはならない」

 会合と並行し国連本部で、世界自然保護基金(WWF)、「フレンズ・オブ・アース」(FOE)、「グリーンピース」が記者会見。WWFのハンス・フェロルメ氏は、今回のハイレベル会合は温暖化問題で「首脳レベルが行動を起こす初めてのもの」だと指摘し、八十カ国以上の首脳が積極的に潘基文国連事務総長の呼びかけにこたえたことを歓迎。京都議定書(〇八―十二年)後の枠組みについて「世界各国が国連の枠組みを支持し、気候変動問題に取り組み、新たな交渉を行おうとしていることは大変興味深い」と語りました。

 FOEのメーナ・ラーマン議長は、京都議定書後の枠組みでは先進国と途上国双方の「責任分担」が求められていると指摘。そのうえで、先進国が二〇五〇年までに一九九〇年比で80%の温室効果ガスの削減が「明らかに必要」だと表明。途上国は、「持続可能な発展と環境保護の追求」が課題となっているとし、その「能力構築」の必要性を指摘しました。

 「グリーンピース」のロツェ・ピン氏は、米国政府が二十七日から予定している温暖化問題の国際会議について「今回の国連の会合を頓挫させることを狙う試みだ」と批判。「気候変動に立ち向かう適切な場所は、京都議定書だ」と強調。十二月にインドネシアのバリで予定される気候変動枠組み条約第十三回締約国会合(COP13)では、京都議定書後の枠組みでの正式な交渉開始を宣言する「バリ・マンデート(公約)に合意しなくてはならない」と語りました。



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