2007年9月19日(水)「しんぶん赤旗」

消費税を増税

大企業に減税

経団連、「提言」で迫る


 日本経団連(会長・御手洗冨士夫キヤノン会長)は十八日、消費税増税の一方、法人実効税率(国、地方の合計で約40%)の減税などを求める二〇〇八年度の「税制改正に関する提言」を発表しました。

 消費税率について「提言」は、「基幹的税目」として役割を拡大することを求めています。当面2%程度増税し、二〇一五年までには、さらに3%程度引き上げ、消費税率を10%にすることを改めて主張しています。その口実の一つに「提言」が挙げるのは「わが国産業の国際競争力の維持」。大企業の負担を軽くすることが消費税増税を求める根拠であることを示しています。

 法人実効税率については、「企業活動の活性化」のため「30%を目途に」引き下げることを求めています。また、大企業の研究開発促進のため、研究開発費に対する控除額の上限(現行、法人税額の20%)を引き上げることを提言。また、情報基盤強化税制の維持・拡充などを求めました。

 証券税制では、株取引で大もうけをあげる大資産家に対する優遇措置として、現在、20%の税率が10%に軽減されています。この措置は、安倍政権の下で一年延長されたものの〇八年度には軽減措置の期限が切れるため、「提言」ではさらなる延長を求めています。

 また「提言」は、参院選挙の結果を受け税制「改正」についての与野党の間での協議を求めています。


解説

「逆立ち」税制の転換を

 「税制抜本改革は国の将来を方向付ける最も重要な改革の一つである」。経団連が発表した提言は税制「改革」をこう位置付けています。財界が考える国の将来というのが、大もうけを続ける大企業への減税を迫る一方で、所得が低い人ほど負担が重い消費税の増税によってさらに庶民を苦しめるものであることを「提言」自身が示しています。

 先の参議院選挙の結果によって、与党の自民・公明両党だけでは財界が求める税制「改革」が進まない事態になっています。そこで今回の提言では、民主党を想定し「与野党間の協議、調整」を呼びかけています。提言では、「民主党は現行の消費税率を掲げている」としつつも、「日本の発展を支えていくための改革の必要性については、相違は無いものと考えられる」と秋波を送っています。経団連が保守二大政党制をにらんで進めてきた通信簿方式の企業献金がテコになります。

 経団連は、社会保障の財源などを念頭に、消費税を「今後のわが国における基幹的税目として役割を拡大していく必要がある」としています。しかし、“庶民に増税、大企業に減税”という「逆立ち」した税制を抜本的に改めれば、消費税に頼らなくても暮らしを支える財源は生み出すことは可能です。(金子豊弘)



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