2007年9月18日(火)「しんぶん赤旗」
“休憩・残業代とれた”
金融労連大会で経験交流
東京都内で開かれていた金融労連定期大会は十六日、運動方針を決め、執行部を選出して終わりました。
討論では、金融労連結成から一年がたち、地域金融と金融労働者の生活を守る取り組みが各地で前進し、その役割がますます重要になっている姿が語られました。
「八時間以上働かせながら四十五分しか休憩させないのは労基法違反だと追及し、休憩時間が六十分になり喜ばれている」と報告したのは芝信金従組。七月に労基署に告発し、是正勧告まで出たことが力になりました。
「残業もきちんと記録されることになり、残業代も増える。少数組合でも切実な要求を掲げてたたかえば動かせる。次は四十五分の昼休みを六十分にさせたい」
東京東信金労組は、「サービス残業」根絶のたたかいで、午後七時以後の残業はてん末書を提出しなければならなくなったなど変化を報告。「十時間から二十時間もあった不払い残業もほとんどなくなった」とのべました。
摂津水都信金でも、労基署から二年間の不払い残業是正の勧告を受け、一定限度を超える残業をさせた支店長の人事考課を一ランク下げるなどの措置が導入されました。
「投資信託の販売が人事考課と結びついてノルマになっている」と、政府・財界がすすめる規制緩和で地域金融機関が、収益再優先でリスク商品に偏重している実態が各労組から告発されました。
「地域の資金を地域に還流させるという本来業務である融資がないがしろにされている」「利用者保護のため、リスク商品販売のノルマ目標をやめさせるべきだ」
住民や中小企業と共同して、金融行政や金融機関経営を利用者、地域経済を守る立場にたったものに変えていくとりくみも―。「労使懇談会を定期的に開いて、大型店問題など地域経済の問題についても懇談している」(滋賀銀行従組)など、地域経済を守る共同を掲げる金融労連らしい取り組みが紹介されました。
広がる成果主義賃金に対し、是正を求めるたたかいも広がっています。
「自己目標を達成したのにA評価でなくC評価にされた労働者がいた。撤回や開示を求めてたたかい、B評価に修正させた」(近畿大阪銀行)との発言がありました。
さわやか信金従組では、「成果主義が相対評価のため、事務担当者はいつまでも上がらない」など不満の声を集めて見直しを求めてたたかい、夏季一時金で四回の上積み回答を引き出す力になったとのべました。
金融労連の大会では、日本共産党から大門実紀史参院議員が来賓あいさつしました。
選出された主な役員は次の通り(敬称略、ともに再任)。▽委員長=松木静雄▽書記長=田畑俊郎

