2007年9月12日(水)「しんぶん赤旗」

県警の報復人事、違法

松山地裁 裏金告発の警官勝訴


 愛媛県警による捜査費不正流用問題(いわゆる裏金問題)を告発した現職の警察官、仙波敏郎巡査部長(58)が、報復人事による配置換えで精神的苦痛を受けたとして県に損害賠償を求めていた裁判で、松山地裁(高橋正裁判長)は十一日、原告の主張をほぼ認め、県が訴訟費用と慰謝料百万円を全額支払うよう命じました。

 二〇〇五年一月二十日に県警内での領収書偽造を告発した原告の記者会見を執ように妨害した行為について、判決は「程度を超えたもの」があったとし、「内部告発の信ぴょう性、目的、手段の相当性を総合的に考慮」して違法としました。鉄道警察隊から、急きょ新設された通信司令室企画係への異動が命じられたことについても、「新たな係の増設や配置人員は愛媛県警本部長の権限」と指摘し、「内部からの造反に対して、報復としておこなわれたことが推認される」として違法と断定しました。

 判決を受けて原告の仙波巡査部長は「裁判所に正義はあった。警察内部から裏金を根絶する一歩になれば」と喜びを語りました。

 弁護団の中川創太弁護士は「裏金の存在と本部長の関与を裁判所が事実として認定している」と指摘。仙波敏郎さんを支える会の東玲治世話人は「仙波君は警察官としての人生をかけたたたかいに勝利しました。当然の結果ですが、知事や議会、監査委員など民主主義の組織がしっかり働いていれば、裁判をするまでもなく解決した問題です。これを機に、警察は組織の改善を徹底すべきです」と話しました。


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