2007年9月12日(水)「しんぶん赤旗」

中古家電

PSEマーク周知怠る

経産相 幹部5人を厳重注意


 甘利明経済産業相は十一日、閣議後の記者会見で、電気用品安全法(電安法)の安全基準に適合していることを示す「PSEマーク」制度の周知義務を怠ったとして、望月晴文資源エネルギー庁長官ら五人の幹部職員を口頭で厳重注意したことを明らかにしました。

 マークなしでの家電製品の中古販売を認めないとする同制度をめぐっては、開始直前の二○○六年春、業者、音楽家、若者などの大きな反対運動がおこり、経産省は実施直前に方針変更に追い込まれました。それから一年以上も経過した後の処分となりました。

 同省は中古品に対するPSEマークの表示義務について方針転換を進めており、「失政」批判に応えるための国会対策とする見方も。処分は同省の内規に基づくもので、一九九九年の同法の公布から○六年三月までの退職・出向者を除く課長以上の直接の担当責任者。


業者や音楽家、共産党の追及で撤回

解説

 「PSEマーク」のない中古家電を販売規制するといういわゆる「PSE問題」をめぐり、本紙は「寝耳に水。これでは商売がやっていけない」とリサイクル業者の怒りをいち早く報道しました(〇六年二月十七日付)。本紙は、経済産業省が中古品も同制度の対象と表明したのが同年二月十日、同省ホームページに「中古品も(電安法の)対象」と掲載したのが初めてだったことを指摘。それまで周知活動を全く行ってこなかったことを明らかにしました。

 さらに、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が、「もともと中古品は、電気用品安全法の対象外。中古品が対象になることは、法令集のどこにも書いていない。だれが、いつ、どこで決めたのか」(同年三月一日の衆院予算委員会分科会)と追及。経産省は、「法令集はよく確認してまいっていません」と、法的根拠を示せませんでした。

 こうして、「PSEマーク」のない中古家電の販売規制は、法も行政も想定外だったことが明らかになり、国民の運動が一気に高まり、経産省に抗議が殺到。四月の施行直前に方針を事実上撤回するという「異例の事態」に追い込まれたのです。(中東 久直)


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