2007年9月9日(日)「しんぶん赤旗」
ローマ法王 悔恨の念
ユダヤ人犠牲者を追悼
【ベルリン=中村美弥子】オーストリアを訪問中のローマ法王ベネディクト十六世は七日、ウィーン市内の「ユダヤ人広場」にあるホロコースト記念碑を訪れ、ナチス・ドイツに虐殺されたユダヤ人犠牲者を追悼し、悔恨の念を示しました。
法王は大雨の中、ラビ(ユダヤ教指導者)のアイゼンベルク師とともに静かに祈りをささげました。「ユダヤ人に対し、悲しみ、悔恨の念、友情を示したかった」と訪問の理由を説明。カトリック教会として、反ユダヤ主義を生んだ歴史を悔い改め、ユダヤ教徒との和解への思いを表明しました。
第二次世界大戦前、オーストリアにはユダヤ人約二十万人が居住。現在は約一万人が住んでいるといわれます。ウィーンの「ユダヤ人広場」の記念碑は、ホロコーストの犠牲者六万五千人をしのんでいます。
ドイツ出身の法王は昨年五月、ユダヤ人ら約百十万人が虐殺されたアウシュビッツ強制収容所跡地を訪問。「ドイツ人の子として」犠牲者を追悼し、平和を祈りました。

