2007年9月7日(金)「しんぶん赤旗」
若林農水相の政治団体代表
補助金団体会長も兼任
パーティー券基金で購入
若林正俊農水相(参院長野選挙区)の政治団体代表者が農水省から補助金を受けている同省所管の財団法人「魚価安定基金」の理事長を務めていた際、基金の経費で政治団体のパーティー券を購入していたことが六日、分かりました。政治団体の代表は、別の補助金受給団体の会長も兼任、農水相の別の政治団体に個人献金もしていました。
与謝野馨官房長官は同日、政治団体代表が若林農水相の農水省時代の上司であり、「利害に基づいた関係でない」として、問題視しない考えを示しましたが、遠藤武彦前農水相は自身が組合長を務めた「置賜農業共済組合」が補助金不正受給問題の責任をとり、辞任しています。
政治資金収支報告書や若林氏の事務所によると、同氏の政治団体「東京正風会」代表を約十年前から務めているのは元水産庁長官の佐竹五六氏です。国から補助金を受けている漁業団体や自治体で構成する社団法人「全国遊漁船業協会」の代表も兼任しています。
佐竹氏は若林氏を支援する別の政治団体「正風産業政策懇談会」に二○○四年に五万円、○五年に二万円、○六年に五万円の献金をしていました。
一方、佐竹氏は国の補助金受給団体、財団法人「魚価安定基金」で、○二年二月から○五年六月まで理事長を務めました。同基金によると、理事長在任中の○五年四月には東京正風会が催したパーティー「励ます会」に、同基金の一部経費で、参加費一口二万円を支払い、○三年にも同様に「励ます会」に一口二万円で二口購入したといいます。
政治資金規正法では、国から補助金を受けている団体の政治献金は禁止していますが、補助金を受給している団体の役員や代表の個人献金については規定していません。
若林氏は同日、記者団の質問に、「法令に一切違法な問題はない」としたうえで、「今後は補助金(交付)対象の所管法人がパーティー券を購入することがないよう指示することが必要。返還も含め検討したい」と答えました。

