2007年8月30日(木)「しんぶん赤旗」
同和ヤミ融資に刑事罰
高知元副知事らの上告棄却
最高裁
高知県の同和縫製業協業組合「モード・アバンセ」(南国市、倒産)に対し約十二億円をやみ融資し、背任罪に問われていた元副知事山本卓被告(77)ら元県幹部三人の上告審で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は二十八日、被告側の上告を棄却しました。
山本被告の懲役二年二月など三人を実刑とした二審高松高裁判決が確定します。公的融資について、公務員が背任罪に問われた初めての事件。公的・政策融資にも一定のルールが求められることを示した画期的な判決となりました。
山本被告のほか、元商工労働部長川村龍象被告(66)の懲役一年八月、元商工政策課長都築弘一被告(61)の懲役一年六月が確定します。
一九九六年、山本被告らは回収が困難と知りながら、倒産しかかった同組合だけを対象とする県の融資制度を創設。県議会にも知らせず九七年までに約十二億円を貸し、県に損害を与えました。
高松高裁は二〇〇五年、「組合が倒産し、県政の不祥事として批判されることを恐れて犯行に及んだ」とし、全額を不正融資と認定、三人を実刑としていました。
日本共産党県議団は、「解同」(部落解放同盟)が、県政で利権あさりの腐敗行為をつづけ、行政もこれに追随してきたことを一貫して批判してきました。
「モード・アバンセ」問題でも当初から取り上げ、県議会に百条委員会の設置を要求。弁護士の梶原守光党県議(当時)が議会の告発委員長を務め、二〇〇一年全会一致で県警に告発するなど奮闘してきました。