2007年8月29日(水)「しんぶん赤旗」
米司法長官 辞任へ
対テロ関与 ブッシュ政権に打撃
【ワシントン=鎌塚由美】米国のゴンザレス司法長官は二十七日、記者会見し辞任することを明らかにしました。ブッシュ政権の対テロ戦争を支えた重要閣僚の辞任は、同政権にとって大きな打撃となります。
同日、司法省で辞任を発表したゴンザレス司法長官は、九月十七日付で辞任する意向を表明。辞任理由は一切語らず、記者からの質問も受け付けませんでした。
ブッシュ大統領は同日、ゴンザレス長官の辞任についてテキサス州で声明を発表。9・11同時テロ以降にブッシュ政権が推し進めた愛国者法や特別軍事法廷の成立にゴンザレス氏が果たした役割を評価し、辞任を「不承不承受け入れた」と説明しました。
ゴンザレス氏をめぐっては、一月以来、連邦地検検事の「政治的理由」による解任問題や、米国内の令状なしの盗聴継続で同氏が果たした役割が問題視され、米議会の与党共和党の一部からも辞任を求める声が高まっていました。
ブッシュ大統領は解任を求める議会の要求を突っぱね、ゴンザレス氏を一貫して擁護してきました。この日も「(ゴンザレス氏の)名声は政治的理由によっておとしめられた」と述べ、同氏の辞任を要求してきた議会を批判しました。

