2007年8月25日(土)「しんぶん赤旗」

国民年金未納

差し押さえ1万人超

06年 前年度の4倍に激増


 国民年金保険料の未納者に対する預貯金などの財産差し押さえが、二〇〇六年度に過去最高の一万一千九百十人にのぼることを社会保険庁が二十三日に発表しました。

 〇五年度の三千四十八人から約四倍に激増。財産を差し押さえられた人は、〇三年度二十一人、〇四年度百二十五人とここ数年で大幅に増加しています。

 差し押さえの対象は、十三カ月以上の未納があり、控除後所得が年二百万円以上(単身世帯の場合年収二百八十万円程度)の人で、電話や戸別訪問などの納付督励に応じなかった人としています。

 社保庁が未納者に対し強制徴収の手続きに入ることを告げる最終催告を送ったのは約三十一万人。〇五年度の約十七万人の二倍程度となっています。差し押さえの督促件数は約十二万件(〇五年度約三万七千件)でした。

 これらを受け、十万二千三百三十五人が未納分を納付しました。

 厳しい取り立てをする一方、〇六年度の納付率は66・3%で、目標の74・5%に及ばず、〇五年度納付率67・1%よりも低くなっています。財産差し押さえなどの強制徴収をしても、未納が改善していない実態が浮き彫りになりました。

 社会保険庁は〇七年度の納付率の目標を80%とし、強制徴収の強化を社会保険事務所などに求めています。

 所得に関係なく月額一万四千百円という国民年金保険料や二十五年以上納めないと一円も受給できない厳しい条件などには目を向けず、「納付率アップ」のために、払えない人の財産を差し押さえるやり方は矛盾を広げるだけです。



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