2007年8月21日(火)「しんぶん赤旗」

中華航空機が炎上

爆発直前 165人全員脱出

那覇空港

燃料漏れに引火か


 二十日午前十時三十五分ごろ、沖縄県の那覇空港で、台北発那覇行きの中華航空120便ボーイング737―800型機が爆発、炎上しました。乗客乗員百六十五人は爆発直前にシューターから機外に脱出。間一髪で惨事を逃れ、全員無事でした。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調査官四人が現地入りし、機長らの聞き取り調査を始めました。


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(写真)緊張した表情で到着ゲートを出る事故機の乗客ら=20日午後3時すぎ。那覇空港国際線ターミナル(山本眞直撮影)

 同省は、事故機が搭載していた仏CFM社製エンジンと同系列のエンジンの航空機を運航する日本航空、エアーニッポン、スカイマークの三社に緊急点検を指示しました。国内に乗り入れる外国航空機の安全対策の強化も求められています。

 沖縄県警や同省那覇空港事務所などによると、同機は午前十時二十七分に同空港に着陸。同三十二分ごろ、駐機場に入りましたが、その直後に主翼の下にある左側エンジン付近で爆発がありました。大きな爆発音とともに黒煙が上がりました。

 乗客は幼児二人を含む百五十七人で、うち日本人は二十三人。乗員は八人でうち日本人は一人。八十九人が台湾からの団体客だったといいます。

 乗客が煙が上がり始めるのを目撃すると機内も熱くなり、乗客らは若干パニック状態に。乗客のうち男性(57)と女児(7っ)が救出された後、体調不良を訴え近くの病院に運ばれましたが、いずれも軽症。客室乗務員の女性(42)がひざに軽いけがをしました。

 消火活動中の消防士が熱中症で病院に搬送。那覇空港の整備士も爆風で吹き飛ばされました。

 国交省や中華航空によると、事故機は二十日午前九時二十三分ごろ、台北を出発、那覇空港に同十時二十七分に着陸。同三十二分ごろ駐機場でエンジンから燃料が漏れ、出火、発煙しているのを同社の整備士ら地上整備員二人が目撃、ただちにパイロットに通報しました。

 乗員の指示で、乗客は一分半で機外へ避難しました。その直後の同三十五分に左側エンジン付近で爆発、機体が炎につつまれました。

 同機が着陸する際や駐機場へ向かう途中、空港管制に対し異常を伝える連絡はなかったといいます。

 火災は午前十一時三十七分に鎮火しましたが、機体は折れて黒く焼け落ちました。那覇空港は一時閉鎖されました。

 中華航空は二○○二年七月に同機を導入、その後の五年間で事故は起きていないとしています。


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