2007年8月17日(金)「しんぶん赤旗」

映画「ひめゆり」上映会

事実を知る勇気を

元学徒と柴田監督・Coccoさんが語る


 第二次大戦末期、沖縄の地上戦に動員され多数が犠牲になった「ひめゆり学徒隊」。終戦記念日の十五日と翌十六日、ドキュメンタリー映画「ひめゆり」の特別上映会が東京都内で開かれました。元学徒の女性二人と柴田昌平監督、沖縄出身の歌手Coccoさんがトークライブを繰り広げ、会場一杯の若者に「(戦争の)事実を知って」と語りかけました。

 「戦争の話はこわいかもしれない。ピンとこないかもしれない。理解できなくても罪悪感は持たないで。今は事実があったことを知ってほしい」(Coccoさん)

 両日の参加者は、二十歳代を中心に計八百五十人。コラムなどで映画を紹介してきたCoccoさんの呼びかけで知った人が多くいました。

 学徒隊では十五―十九歳の百三十六人が死亡しました。映画「ひめゆり」は柴田監督が十三年かけて撮った生存者二十二人の証言記録。今年、日本ジャーナリスト会議の特別賞を受けました。

 「破裂した弾の破片がプス、プスと茂みに落ちる。けがして死にたくない、一発で吹っ飛んで下さいって」―。ナレーションや音楽による演出はなく、八十歳前後の元学徒たちが、鮮明に体験を語ります。上映後、大きな拍手が起きました。

 トークには元学徒の島袋淑子さん、宮城喜久子さん、Coccoさんが参加、柴田監督が司会を務めました。

 島袋「重傷の友だちを残して壕(ごう)を出た。家族にも誰にも話せない時期があった」

 宮城「戦争が何かも知らず、皆で学校に戻れると思い込んでいた。無知ほど怖いことはない」

 Cocco「オバアたちがどれだけの思いで証言してくれているか。しゃべる勇気と比べれば、映画を見る勇気なんて鼻くそなのよさ」

 閉会後、二人の元学徒との握手を求め、若者が列をつくりました。日野市の会社員(32)は「これまで戦争の話は避けてきた。(映画を見て)きれい事じゃない、知らなければいけないことがあると感じた」と話していました。

 映画は大阪(十七日まで)、名古屋(二十四日まで)、東京(九月十四日まで)で上映中。横浜、広島など各地で上映予定。プロダクション・エイシア(042・497・6975)か映画ホームページ(http://www.himeyuri.info)で。


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