2007年8月16日(木)「しんぶん赤旗」

終戦記念日

首相、「靖国」見送り

閣僚は高市氏のみ参拝


 終戦記念日の十五日、安倍晋三首相をはじめ、高市早苗沖縄担当相をのぞく十五閣僚が、靖国神社参拝を見送りました。昨年の終戦記念日には、小泉純一郎首相のほか、中川昭一農水相と沓掛哲男防災担当相の二閣僚が参拝。二〇〇〇年には九閣僚、その後も毎年二―五閣僚がこの日に参拝しており、閣僚参拝が一人にとどまる異例の事態です。

 先の参院選では、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げた安倍首相・自民党に国民の審判が下りました。また、米国下院本会議が、元「従軍慰安婦」に日本政府が「公式かつ明確な謝罪」を行うことを求める決議を採択。安倍政権に対し、国内外から、過去の日本の戦争をどうみるか厳しい視線が注がれていることが、大半の閣僚が参拝を見合わせざるを得なくなったことの背景にあります。

 高市氏も当初、十日の会見で「十五日は今年は難しいかなと思っている」と語り、十五日当日の閣議後の記者会見でも「静かに祈りをささげられる状況でない」として参拝しない意向を示していました。その後、「静かに参拝できる状況が整ったという連絡を受けた」として、急きょ同日午後の参拝を決めたものです。

 高市氏は改憲右翼団体・日本会議と連携する日本会議国会議員懇談会のメンバーで、「従軍慰安婦」の記述を教科書から削除させる活動にも中心的にかかわってきました。“閣僚参拝ゼロ”の事態を回避するために動いたとみられています。

 一方、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」会長の島村宜伸元農水相(自民)は同日、参拝後に記者会見し、安倍首相が参拝しないことについて「安倍さんらしくない。お参りなさるべきだった」と述べました。また、閣僚の大半が参拝を見送ったことについては「政情が不安定だからだろう」との見方を示しました。



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