2007年8月12日(日)「しんぶん赤旗」

川を流域住民の手に

徳島でシンポ 行政不信、700人参加


 「川を流域住民が取りもどすための全国シンポジウム」(同実行委員会主催)が十一日、徳島市の徳島大学蔵本キャンパスで始まり、全国から七百人(主催者発表)が参加しました。

 基調トークでは、新潟大学の大熊孝教授と経済学者の宇沢弘文氏が「社会的共通資本としての川」のテーマで講演。大熊氏は、川における現在の治水の到達点や問題点などを説明。「究極の治水対策」として、計画を超える洪水に対して持ちこたえられる治水の必要性と、その手法を語りました。

 シンポジウムでは、吉野川第十堰(ぜき)の可動堰化の問題で先頭に立って住民運動に取り組んできた、吉野川シンポジウム実行委員会の姫野雅義代表世話人がコーディネーターを、元国土交通省淀川工事事務所長の宮本博司氏ら五人がパネリストを務めました。パネリストは、「河川法改正から十年―それぞれの挑戦」のテーマでざっくばらんに討論しました。

 国交省を辞め、淀川水系流域委員会の委員長となった宮本氏は、「私は住民が河川行政に不信感を抱いていることを、現地での対応を通して実感してきた」と職員当時の思いを紹介。「改正された河川法(一九九七年)が、流域住民の参加できるものに変わっていくのか否かは、今現在しのぎ合っているものだと思う」と話しました。



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