2007年8月12日(日)「しんぶん赤旗」

熱帯雨林 消失抑えた

取り締まり 東京2つ分

ブラジル環境省


 ロイター通信によると、ブラジル環境省は十日、今年七月までの一年間のアマゾン熱帯雨林の消失面積が前期一年と比べて約三分の一減少したとの暫定値を発表しました。衛星写真を分析した結果に基づくもので、最終報告は十一月までに公表される予定です。

 同省の発表によると、二〇〇六年六月―〇七年七月の消失面積は九千六百平方キロで、前期一年間の一万四千三十九平方キロと比べて31・6%の減少となりました。消失減少分の四千四百三十九平方キロは東京都の面積の二倍強に相当します。

 今回発表の数値は、二〇〇〇年以降で最も少ない消失面積です。歴史的データを最新の測定技術で見直せば、過去三十年間でも最小となるといいます。最大消失面積を記録したのは〇三年から〇四年にかけての一年間で、二万七千四百二十九平方キロでした。

 環境省は、不法伐採の取り締まり強化、保護区域の拡大、森林を保護した経済開発計画が、熱帯雨林消失を抑えていると評価しています。

 環境保護団体も、ブラジル政府の取り組みの前進を認めています。その一方で、穀物などの商品価格の上昇が森林をさらに奥深くまで切り開くことになりはしないかと懸念しています。さらに、ルラ政権が進める道路建設、水力発電所建設が熱帯雨林に及ぼす影響にも警戒しています。



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