2007年8月6日(月)「しんぶん赤旗」

列島だより

夏を彩るまつり


 夏が到来し、郷土色豊かな祭りの季節です。まちの人びとが長年かけてつくりあげ、見る人を元気にする祭りの現場を、青森と徳島から紹介します。


市民が資金を工面 教室も

青森ねぶた 

 毎年約三百万人が訪れる青森市の「青森ねぶた祭」が、二日開幕(夜間運行は六日まで、七日は昼間運行)し、「ラッセラー、ラッセラー」のかけ声、ねぶたばやし、観客の歓声が、夜の街を包んでいます。

 今年は二十二台の大型ねぶたが出陣。迫力に満ちたねぶたが、街をねり歩き、短い夏の夜を彩っています。

 “市民が主役の青森ねぶた祭”を掲げる「ねぶた愛好会」は、歌舞伎十八番に取材した『象引』(制作責任者・諏訪慎さん)で堂々の出陣を飾りました。

 同愛好会は、ねぶたが特定企業の宣伝に使われることに潔しとせず、「ねぶたが好きでたまらない」という人たちが集まって結成されたねぶた運行団体です。一九七九年に『鐘馗』(制作・石谷進さん)で初出陣。

 ねぶた制作や運行の資金も不足なら、自前のはやしも不足―という状態からのスタートでした。「線香花火で終わる」という冷ややかな声も周りにありました。

 同愛好会の趣旨に賛同したねぶた師・石谷進さんは、第一回から二〇〇三年で引退するまで、二十五年間にわたってねぶた制作を引き受けてくれました。

 独自に開いたねぶたばやしの「青空教室」には、この二十九年間で延べ約四千人が参加し、同愛好会だけではなく、ねぶた祭を底から支える役割を果たしています。

 ねぶたの下絵入りの手ぬぐいを販売するなど市民の協力をえて、資金を工面しながら、出陣を続けてきました。市民に支えられた同愛好会は来年、出陣三十回目を迎えます。(青森県・猪股文夫)


はやしに合わせ 観光客も楽しんで

徳島 阿波踊り 

 約四百年の歴史をもつ阿波踊りは、秋田県の西馬音内盆踊り、岐阜県の郡上おどりとともに「日本三大盆踊り」に数えられています。

 太鼓や鉦(かね)、三味線、笛などの囃子(はやし)の演奏に合わせ、「連」と呼ばれるグループで踊ります。踊りは桟敷(さじき)席と呼ばれる観客席の間を練り踊る通常の歩き踊り、ステージ上で踊る舞台踊りがあり、種類は豪快な男踊りと優雅な女踊りがあります。連は、地域の住民や職場、学校などさまざまな集まりで結成されており、徳島県内には大小約千の連が存在します。

 「徳島県阿波おどり保存協会」に所属し、有名連の一つに数えられる「本家大名連(ほんけだいみょうれん)」。一九七七年に結成され、踊り子、鳴り物担当合わせて百人で構成されています。初代連長・山中一郎さんが阿波藩主・蜂須賀家政公にふんして踊ったことから、この連名を付けました。殿様や城代家老、腰元、家臣など、艶(あで)やかな色とりどりの衣装を身にまとって踊りを披露。歩き踊りはまさに大名行列の様相を呈し、一度見ると忘れられないインパクトを残します。

 副連長を務める大知勝己さん(62)は「本家大名連は、観光客の人たちに楽しんでもらえるような踊りを心がけています。そして、阿波踊りのメーンはなんといっても八月のお盆。ぜひ徳島に足を運んでもらい、阿波踊りを見て、踊って、満喫してもらえればと思います」と話しています。

 阿波踊りは、八月のお盆の時期に徳島県内各地で踊られ、毎年数十万人の観光客が集まる徳島市の踊りは、十二日から十五日の四日間開催されます。(徳島県・谷内智和)


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