
2007年8月3日(金)「しんぶん赤旗」
政治的経済的に好機
米州機構事務総長が強調
中南米
【メキシコ市=松島良尚】南米エクアドルを訪問中の米州機構(OAS)のインスルサ事務総長は一日、各国の憲法づくりの経験交流を目的としてOASの後援で開催された中南米地域間研修会で、「中南米はいま、政治的にも経済的にも好機にあり、民主主義の強化をはかる大きなリーダーシップが存在している」と強調しました。民主主義という点でベネズエラやボリビアなどを問題視するブッシュ米政権と真っ向から異なる見解として注目されています。
インスルサ事務総長は、「この大陸には選挙という民主主義だけでなく、制度と法の社会を構築できる民主主義がある」と述べ、域内の変革を理解するよう呼びかけました。
また、この地域でいま進んでいる根底からの変革は不平等と不公正の是正を目的とするものだと強調。「国民は、経済成長の恩恵がなぜすべてのセクターに届かないのかと自問している」と述べました。
エクアドルは九月に制憲議会選挙の実施を予定しており、ボリビアでは昨年八月に発足した制憲議会が新憲法づくりに取り組んでいます。ベネズエラも憲法改正を計画しています。
いずれの政府も、寡頭勢力の特権をなくすことや資源主権の回復などを新憲法や憲法改正に盛り込むねらいですが、旧支配勢力や右派は激しく抵抗しています。