2007年8月2日(木)「しんぶん赤旗」

赤城農水相が辞任

安倍政権10カ月 閣僚交代4人目


 赤城徳彦農水相は一日、自らの相次ぐ事務所費疑惑を受けて安倍晋三首相に辞表を提出しました。首相から官邸に呼ばれた席上提出したもので、首相は受理しました。安倍政権発足以来十カ月余で四人目の閣僚交代。赤城氏をかばいつづけてきた安倍首相の責任が問われることは必至です。


 赤城氏は一日の記者会見で「参院選で私に関するさまざまな指摘があり、選挙結果に大きな影響を与え、与党敗北の一因になった」と辞任理由を説明。事務所費問題などの領収書公開については、「ルールにのっとって行う」と述べ、率先して明らかにしない立場を示しました。

 赤城氏をめぐっては、自らの政治団体「赤城徳彦後援会」が茨城県筑西市の実家を団体の所在地として届け、二〇〇五年までの十年間に、事務所費を含め約九千万円の経常経費を計上していたことが発覚。母親や代表者の元茨城県議が当初、事務所に実体がなかったことを認めたことをはじめ、疑惑は次々と拡大しました。

 その後も赤城氏には自身の後援会と政党支部の政治活動費の一部を二重計上していたことなどが判明。就任から二カ月で辞任に追い込まれたものです。

 首相は七月三十一日の会見で「赤城氏を含めて人心を一新していきたい」と内閣改造で赤城氏を留任させない考えを示していました。赤城氏の問題が参院選惨敗の一因との批判が与党内からも強まっていました。

 赤城氏は、二日から五日まで、米国の農水関係閣僚らと会談するため訪米を予定していました。

 首相は農水相の後任は九月に予定している内閣改造までおかず、若林正俊環境相に兼務させることを決めました。


疑惑究明こそ急務

市田書記局長指摘 首相の責任重い

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(写真)記者団の質問に答える市田忠義書記局長=1日、国会内

 日本共産党の市田忠義書記局長は一日、赤城徳彦農水相の辞任について、国会内で記者団に問われ、「辞任は当然だ。ただ、選挙で(自民党に)迷惑をかけたから辞めるといっている。自分の行為について、事実を国民の前に明らかにして、謝罪して辞めるわけではない。辞めたからすむ話ではなく、真実を国民の前に明らかにすべきだ」とのべました。

 市田氏は「安倍内閣十カ月で、大臣の交代は四人目だ。任命した安倍首相の責任も、かばいつづけた責任も重い。選挙の審判をうけて、安倍内閣自身が退陣すべきだ」と強調しました。

 また、「事務所費」疑惑が大問題となった松岡利勝元農水相の後任閣僚が同種の問題で辞任したことについて感想を問われ、「安倍首相自身が、なんの反省もしていないことのあらわれだ。ああいう人しか大臣に選べなかったこと自体が深刻だ」と指摘。安倍内閣の閣僚に「政治とカネ」の問題が相次いでいることに、「国会のなかで真実を明らかにしないと再発防止ができない。ザル法ばかりつくって幕引きをはかるやり方では問題の解決にならない」とのべました。

 市田氏は、当面の国会対応について、「赤城氏は、大臣は辞めても国会議員なのだから、国会の場で、しかるべき委員会で事実を明らかにするための追及をやっていきたい。当然、臨時国会での重要な課題になる」と指摘しました。



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