2007年7月25日(水)「しんぶん赤旗」

けいざいQ&A


Q.消費税に頼らなくて財源は確保できるの?

A.ムダなくし大企業に応分の負担

 消費税など庶民増税に頼らなくても、暮らしのための財源を確保した上で、財政再建に道を開くことが可能です。

 大企業を優遇する自民党政治によって、一九八〇年代半ば(八四―八六年)には43・3%だった法人税の基本税率がどんどん引き下げられ、現在は30%になっています。

 大企業に対する税率を十年前の水準(法人税の基本税率37・5%、法人事業税12%)に戻すだけでも、四兆円の財源が生まれます。

 大資産家を優遇する税制を見直すことも重要です。この間に引き下げられてきた所得税の最高税率や、株式投資で大もうけをあげる一握りの大資産家を優遇する証券優遇税制(年間の減税総額約一兆円規模)を正すことによっても、新たな財源を生み出すことができます。

 さらに、米軍再編のための三兆円の負担や目的不明のダム建設など、歳出のムダにメスを入れることで、暮らしのための政策に回す財源を確保することが可能です。

 こうして、税金の集め方、使い方を国民の生活優先に切りかえれば、庶民増税に頼らなくても、社会保障拡充など暮らしを守る財源を確保することも、財政再建の道を開くこともできます。

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Q.負担求めると企業が海外に逃げるのでは?

A.日本の企業負担 実は重くない

 日本の大企業の負担は決して重くはありません。

 日本の法人税の基本税率(30%)は、イギリス、インドネシア、タイと同じ水準。アメリカ(35%)、フランス(33・33%)などより低い水準となっています。

 日本の企業が負担する「税と社会保険料」は国内総生産(GDP)に対して8・3%です。これは、ドイツ8・5%、フランス13・8%などのヨーロッパ諸国と比べて高くない水準(政府税調提出資料)です。「高ければ海外に逃げる」といいますが、トヨタ自動車はフランスでは、高い負担を課せられながらもちゃんと営業しています。

 経済産業省の調査によれば、企業の海外進出の一番の動機は「現地での販売維持拡大」です。二番目の動機は「コスト面で有利」ですが、これは賃金コストが主な目的。この調査には「税負担」の項目すらありません。

 大企業は日本国内で企業活動を行うことで、空前の利益を上げ続けています。いろんな理屈をつけて「これ以上の負担を求めるな」というのは厚かましい言い分です。行き過ぎた大企業減税を見直し、大もうけをあげている大企業に、もうけに応じて相応の負担を求めるのは当然のことです。

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