2007年7月18日(水)「しんぶん赤旗」

きょうから6カ国協議

「次の段階」討議へ

北朝鮮核問題 米朝首席代表が会談


 【北京=山田俊英】十八、十九両日、北京で北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の首席代表会合が行われます。出席する各国代表は十七日、相次いで北京入りしました。会合では、北朝鮮が寧辺の核施設の稼働を停止したことで、二月の協議で合意した「初期段階措置」の履行の確認、「次の段階」の進め方について討議します。


 六カ国による会合は、北朝鮮関連資金の凍結解除をめぐって同国が出席を拒否して休会に入った三月以来、四カ月ぶりです。

 今回の会合では新たな文書の採択は予定されておらず、「次の段階」を進める上での今後の日程や、六カ国外相会合開催の日程などが議題になるとされます。「次の段階」では、北朝鮮がすべての核開発計画を申告し、核施設を無能力化することになっています。焦点の一つは北朝鮮の高濃縮ウラン計画です。米国が指摘する同計画の存在を北朝鮮は否定しています。北朝鮮が「核計画の申告」と「無能力化」でこの問題にどう応えるかが大きな問題です。

 また、二月に採択した共同文書では、初期段階措置の後、北東アジアにおける安全保障面での協力について閣僚会議を開いて検討することになっています。その段階では、米朝、日朝の国交もテーマになります。「次の段階はいっそう難しく複雑」(中国・新華社通信)といわれます。

 北朝鮮は、米国による「テロ支援国家」指定の解除を要求。また今回の首席代表会合を前に、米朝二国間での軍事会談を求めていましたが、米国はあくまで六カ国協議の枠内での話し合いを主張しています。

「次の段階」

履行完了 年内目指す

ヒル国務次官補が表明

 【北京=山田俊英】十八日から北京で開催される北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の首席代表会合を前に、米国のヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)と北朝鮮の金桂冠外務次官の両首席代表が十七日、市内で断続的に協議しました。

 ヒル次官補は一連の協議終了後、記者団に対し、「私は『次の段階』の履行期間設定が必要だとの考えを伝えた。二○○七年中の完了を目指すべきだというのが私の考えだ」と語りました。その上で、北朝鮮側と大きな見解の相違はなかったとの認識を明らかにしました。

 この日両氏は、米大使館、市内のレストラン、北朝鮮大使館で、計三時間以上協議しました。

 新華社電によると、金次官は平壌出発に先立ち、記者団に「(核放棄に向けた)初期段階措置は達成された」と主張。首席代表会合開催に当たっては「会合の成功に向け、努力を惜しまない」とし、「今回の会合では各国が次の段階で取るべき義務や行動の手順が焦点になるだろう」と述べました。



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