2007年7月12日(木)「しんぶん赤旗」

2公益法人が献金

年金がらみ 丹羽元厚労相に50万円


 自民党の丹羽雄哉総務会長(衆院茨城6区)が支部長を務める政党支部が、年金がらみの二つの公益法人から二〇〇五年に計五十万円の献金を受け取っていたことが、十一日までにわかりました。丹羽事務所は本紙の問い合わせに、政治資金収支報告書の「誤記」だったとして、訂正の手続きをとることを明らかにしました。

 献金を受けていたのは、「自民党茨城県第六選挙区支部」。丹羽総務会長は、宮沢、小渕、森の各内閣で厚生大臣を務めるなど、「厚労族のドン」といわれており、〇五年の政治資金収支報告書によると、日本柔道整復師連盟五百三十万円、茨城県医師連盟四百万円、日本医師連盟、製薬産業政治連盟、日本薬剤師連盟各三百万円、全日本病院政治連盟、日本精神病院政治連盟各二百万円など、厚生労働省傘下の団体の政治団体から多額の献金を受け取っています。

 こうしたなか、金額は小さいものの、全国各地のウェルシティ、サンピアなどの厚生年金施設の運営を目的に設立された財団法人「厚生年金事業振興会」から三十万円、国から社会保険病院の経営を委託されている社団法人「全国社会保険協会連合会」から二十万円の献金があります。

 いずれも、年金保険料から補助金や委託金を受けている公益法人。厚生年金事業振興会の吉原健二理事長は社会保険庁長官、厚生事務次官を歴任。全国社会保険協会連合会の伊藤雅治理事長も元厚労省医政局長と、ともに厚労省・社会保険庁幹部を多数受け入れる天下り団体です。

 「消えた年金」問題が、参院選の大きな争点にもなっているなか、国民の貴重な年金が自民党政治家に還流していたことは重大です。

 本紙の問い合わせに、丹羽事務所は、「たしかに支部の報告書に献金は載っており、先方に確認した。(〇五年の)総選挙のとき、新宿厚生年金病院の院長さん個人からいただいたもの。全国社会保険協会連合会の分は、理事長の伊藤雅治さんから十万円と政治連盟から十万円。法人からは出ていない。慣れない担当者がやったこと。どちらも誤記で、茨城県選管に訂正の手続きをする」と回答しました。



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