2007年7月12日(木)「しんぶん赤旗」

6カ国協議 今月中再開へ

「次の段階」 焦点に


 北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議は、三月の中断以来、約四カ月ぶりに今月中に再開されることが確実になりました。今回の協議では、二月の「共同文書」で合意した「初期段階措置」の履行状況の確認と今後の履行計画策定が焦点になります。

 「初期段階措置」のうち、北朝鮮は寧辺の五千キロワット黒鉛減速炉や再処理施設などの稼働停止・封印の意向を発表。すでに、停止・封印状況を監視・検証する要員の派遣も、国際原子力機関(IAEA)に求めました。

 韓国は、「並行措置」として重油五万トンを提供。北朝鮮は、その第一便が到着する十四日にも核施設の稼働停止に着手する意向を示しています。

 今回の協議では、こうした到達点を踏まえ、残りの措置と「次の段階」の措置について議論されることが濃厚。米国も「次の段階に焦点をあわせたい」(米国務省)との考えを表明しています。

 二月の六カ国協議では、北朝鮮が「すべての核計画の一覧表」について五カ国と協議し、「次の段階」として、▽すべての核計画についての完全な申告の提出▽すべての既存の核施設の無能力化で合意しました。一方、五カ国は「並行措置」として重油九十五万トンを提供。▽日朝、米朝の国交正常化▽休戦状態にある朝鮮戦争の終結・平和体制構築に向けた作業を進めることを約束しています。

 また米朝関係では、米国が、北朝鮮に対するテロ支援国指定や対敵通商法適用の解除に向けた作業を開始することで合意。北朝鮮は、米国にこれらの措置の実施を求めるとみられます。

 「次の段階」での議論では、北朝鮮が抽出ずみとの疑惑をもたれている高濃縮ウラン(HEU)による核開発計画や、「保有」したと主張する核兵器の取り扱いをめぐり、難航も予想されます。また、北朝鮮がとる措置と五カ国の「並行措置」をどのように組み合わせるかも問題になります。

 大枠については、首席代表会合で協議し、各作業部会で細部について議論する方向です。韓国の宋旻淳・外交通商相も十一日、「首席代表会合後、必要なら分野別の作業部会を開く」と述べました。

 二月の六カ国協議では、安全保障面での協力を進めるための外相会合の開催についても合意しており、その日程について協議されます。(中村圭吾)



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