2007年7月11日(水)「しんぶん赤旗」

米軍

沖縄北部で枯れ葉剤

61〜62年 平和委が全容解明要求


 米軍が一九六一年から六二年にかけて、猛毒のダイオキシンを含む「枯葉剤」を、沖縄県の「米軍北部訓練場」で散布していた疑いが強まり、日本平和委員会は九日、日本政府の責任で事実を究明するよう求める声明を発表しました。

 この問題は、米領のグアム議会議員らが入手した米退役軍人省の公式文書から分かったもの。八日に共同通信が配信し、九日付「沖縄タイムス」「琉球新報」が報じました。

 声明は「報道では…枯葉剤が入ったドラム缶の輸送やドラム缶への枯葉剤の注入の作業のほか、北部訓練場内と周辺道路わきの雑草除去のために枯葉剤散布を行い…」とし、「この事実は、沖縄の米軍基地がベトナムへの残虐無法な枯葉剤散布作戦の貯蔵・出撃拠点となっていたことを裏付けるものだ」と批判しています。

 その上で、北部訓練場には沖縄県民の水供給の約六割を支える四つのダムが存在することに触れて、「県民の命にかかわる重大問題」だと指摘。米国に全資料の公表を求めるよう、日本政府に要求しています。

 一九九六年の「SACO(沖縄に関する日米合同委員会)」合意で同訓練場は、約半分が、新たなヘリパッド(ヘリ着陸帯)建設と引き換えに返還されることが決まっています。今回発覚した疑惑は、返還地の跡地利用にも影響を与えるものです。



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