2007年7月8日(日)「しんぶん赤旗」

築地市場移転問題でシンポ

日本環境学会


 築地市場(東京都中央区)の江東区豊洲への移転を考えるシンポジウムが七日、府中市の東京農工大学で行われました。日本環境学会が主催したもので、学会員や市場関係者など約百人が参加しました。

 同シンポジウムでは四氏が発言。同学会の畑明郎学会長は、移転先である東京ガス豊洲工場跡地の土壌調査や対策の問題を多角的に解明。「いくらコストをかけても、土壌を完全に浄化することはできない」として、現在地での市場再整備を主張しました。坂巻幸雄副学会長は、近い将来予想される首都圏直下型地震による地盤の液状化で汚染物質が噴出する危険性について説明し、安全性は確認されていると主張する都を批判しました。

 佐藤克春氏(一橋大学院生)は、土壌汚染対策法の問題点を指摘。築地市場の仲卸業者らでつくる「市場を考える会」の野末誠総務部長は「毒物がある所に市場を移転させること自体、あってはならない」とのべ、市場関係者の意向調査もせず、情報公開も不十分で強引に移転を進める都を批判しました。

 参加者からは「有毒物質の影響が出てくるのは、孫子の代だ。将来を担う子どもたちに危険な物は食べさせられない」「汚染土壌に市場を強引に移転させるのは、利権がからんでいるのではないか」など、意見や提案が活発に出されました。



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