2007年7月8日(日)「しんぶん赤旗」

実体ない事務所に9000万円

辞任・佐田担当相と同ケース

赤城農相


 赤城徳彦農水相(衆院茨城1区)の地元の政治団体が茨城県筑西市の実家を「主たる事務所」として届け、実体がないにもかかわらず、過去十年間で「事務所費」など経常経費を九千万円も計上していたことが七日、わかりました。


 昨年末、佐田玄一郎行政改革担当相が一九九〇年からの十年間で架空の事務所経費など約七千八百万円を政治資金収支報告書に計上していたことが発覚、閣僚を辞任したケースと同様の性質の問題です。

 この政治団体は、「赤城徳彦後援会」。九六年から二〇〇五年の十年間の政治資金収支報告書によると、人件費は、五千三百五十三万円、光熱水費七百九十四万円、備品・消耗品費千二百六十六万円、事務所費千六百三十一万円にのぼっています。経常経費の合計は九千四十五万円になります。これらの支出には、領収書がいりません。

 赤城農水相は同日、記者会見で、事務所費問題について、「付け替えや架空のものを計上していることはない」「計上すべきものはきちんと報告している」とのべ、領収書の公表を拒否。(1)事務所は祖父の代から後援活動の中核の場所。初当選以来の拠点だ(2)経費は電話代、事務機器のリース料などを積み上げた―と説明しました。

 しかし、実家に住む赤城農水相の母親は同日、「家賃や光熱費は受け取っていない。秘書などはいない」と表明。「赤城徳彦後援会」の代表者となっている元県議も「自分の名前が使われていることも知らなかった。(赤城農水相が議員になってからは)実家に行ったこともない」とのべ、それぞれ実家は事務所としての実体がなかったことを明らかにしました。

 同後援会の連絡先、事務担当者はいずれも赤城氏が支部長の「自民党茨城県第一選挙区支部」(水戸市)となっています。やましいことがなければ、領収書を公表すればすむ話。同後援会の経常経費の不透明さに疑惑が深まっています。


 「事務所費」問題 家賃のかからない議員会館に資金管理団体の「主たる事務所」を置きながら多額の事務所費を計上していた問題は、日本共産党の井上さとし参院議員が昨年十一月、国会で初めて取りあげました。その後、本紙が一月三日付で松岡利勝前農水相や伊吹文明文部科学相、民主党の松本剛明政調会長ら十八人が年間一千万円以上の「事務所費」を計上していることをスクープ、政治問題となりました。

 さきの通常国会で、日本共産党はこの問題を徹底的に追及、疑惑解明にあたりました。同時に、自民、公明両党が提出した政治資金規正法「改正」案について、政治家の資金管理団体に限定しており、透明性向上にはならないと指摘、反対しましたが、今回の赤城農水相の「架空事務所」疑惑で早くもそのザル法ぶりが明らかになりました。



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