2007年7月6日(金)「しんぶん赤旗」

沖縄戦「集団自決」

「軍の命令なし」に抗議

署名13万超える

首都圏でも会


 教科書検定をはじめとする、沖縄戦の「集団自決」に軍の命令はなかったとする動きに対し、「沖縄戦の実相をゆがめるのは許せない」と署名運動が広がっています。沖縄では十三万五千八百二十三人分に達しました。首都圏でも会が結成され、署名行動がスタートしました。

 「集団自決」をめぐっては、文部科学省の高校教科書検定で「集団自決」は日本軍に強制されたものだとする記述が修正・削除されました。また、「集団自決」は命令していないと主張する元日本軍の隊長らが、軍の命令によると記述した著作は「名誉棄損」だとし、著者の大江健三郎さんと岩波書店を相手に大阪地裁で裁判を起こしています。

 広がっているのは、検定の修正指示を撤回し、申請時の文章に戻すことを求める署名や裁判で大江さんらを支援し、適正かつ十分な審理と公正な判決を求める署名です。

 沖縄では「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」が中心となっています。事務局長の山口剛史さんは署名が十三万を超えたことについて「沖縄県民の総意」といい、同時に「沖縄だけの要求ではなく、日本の歴史認識にかかわる全国的な運動になっている」と話します。

 街頭での署名行動では「自分でももらってくるから署名用紙がほしい」という人もいるといいます。「『慰安婦』や南京大虐殺の問題と併せ、日本の戦争をどうとらえていくのか。運動のうねりを大きくしていきたい」

 首都圏を中心に署名を進めているのは六月に結成された「大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会」です。今月二十日を署名の第一次集約日としています。

 沖縄戦首都圏の会事務局長の寺川徹さんは六月十五日、沖縄での第一次集約分の署名を提出した文科省交渉に沖縄県民とともに参加しました。「沖縄の怒りを感じた。市民一人ひとりに何とかして届け、首都圏でも大きな運動にしたい」。枠にとらわれない市民レベルの運動をめざします。

 首都圏の会は六日午後七時から、沖縄の真実を広めようと連続講座の第二回を開きます。講師=村上有慶・沖縄平和ネットワーク代表世話人。会場=アカデミー茗台(地下鉄丸の内線茗荷谷駅下車徒歩十分)。資料代=五百円。

 連絡先=すすめる会ファクス098(885)3542。首都圏の会ファクス03(3264)2906。署名用紙はsusumerukai.web.fc2.comからダウンロードできます。



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