2007年7月4日(水)「しんぶん赤旗」

米軍ヘリパッド工事強行

住民、抗議の座り込み

沖縄・東村


 防衛施設庁は三日午前五時すぎ、沖縄県東村(ひがしそん)高江地区を取り囲むように建設する米軍ヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)建設の工事に着手しました。米軍提供区域への進入を防ぐフェンスを数カ所にわたって設置しました。

 ヘリパッド建設に反対する人たちはフェンス越しに座り込み、「ヘリパッドはいらない」「自然と住環境を壊すな」とシュプレヒコールを上げました。

午前5時すぎに

 午前五時すぎに工事車両を目撃した伊佐真次さん(45)は「住民説明の努力もせず、寝ている時間にこっそり工事を始めるとは。こそくなやり方に憤りを感じる」。昨年、日本共産党村議候補になった伊佐さんは「今後は休憩小屋をつくって粘り強く頑張る」と語りました。

 「ブロッコリーの森を守る会」の安次嶺現達代表(48)は「やり方も非常に汚い。私たちには住環境を守る権利がある。今後、工事をさせないことが大事。座り込んで長期戦でたたかいたい」と話しました。

 米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリパッド建設。国は「沖縄の基地負担軽減」だとうたっています。しかし、従来二つのヘリパッドがあった高江地区周辺に新たに四つが加わり、従来の二つも新築され、基地強化になります。

 東村高江地区の仲嶺武夫区長は「住宅地の上を飛ぶなとか、住民の不安に答えることもなく事業を着工した。住民を無視した姿勢に憤りを感じる。軍事のためなら何が何でも強行するという国の見せしめのようで不愉快だ」といいます。

 高江地区はこれまで二度の反対決議を採択。仲嶺区長は「このまま進めば『地区あげて抗議行動に』という声が大きくなってきている。その旨を施設局に伝えた。反対の意思は変わらない」と明言しました。

銃口を向けられ

 何回狙撃の的になったか分からない――。今でもヘリが飛び交うなか、住民に聞くと、驚くような答えが返って来ます。

 コバルトブルーの海と水平線が見渡せる岬に一軒だけたたずむ喫茶店。その上空が、ちょうどヘリの通り道になっています。店主の女性(64)は「ヘリが窓を開けたまま飛んでくる。よく見ると米兵が腹ばいになって銃口を私に向けている。それが一回や二回じゃない。これじゃ、何回、狙撃され、殺されたか分からないわ」。

 女性は「沖縄の基地負担軽減」という国の言い分にも「高江にはヘリパッドが集中する。私が銃口を向けられたように住宅、学校、住民…集落全体を標的に見立てて訓練するんでしょ。国は高江地区全体を売り渡したとしか思えない」といいます。(前田泰孝)



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