2007年6月29日(金)「しんぶん赤旗」

社保庁・年金法案 参院委で

与党が強行採決

きょう成立狙う


 国民の年金不安が渦巻くなか自民、公明両党は二十八日夜、参院厚生労働委員会で、年金運営の国の責任を放棄する社会保険庁の解体・民営化法案と年金時効特例法案を強行採決し、可決しました。参院政治倫理・選挙特別委員会でも、「政治とカネ」問題の幕引きをねらう政治資金規正法改定案の採決を強行。与党は、天下り自由化法案(国家公務員法改悪案)とともに二十九日の参院本会議で成立を図る構えです。

 厚労委では二十八日、厚労省が年金記録問題のデータも示さず、まともな答弁もできず審議がたびたび中断。日本共産党の小池晃議員は「党派を超えて解決のため知恵を出し合うときだ。社保庁を解体し、民営化してしまうのは最悪の責任逃れになる」とのべました。

 予定の質疑後、野党側は理事会開催要求の動議を提出しましたが、鶴保庸介委員長(自民)が一方的に質疑終局に持ち込み、野党議員が抗議する中で強行採決しました。

 倫選特委では、与党と民主党が合意していたため、わずか約五時間の質疑で採決を行いました。

 内閣委では、与党が天下り自由化法案の採決を求めましたが、野党が反対。藤原正司委員長(民主)が「与野党合意がない」とし、採決は行われませんでした。与党は、委員会採決を省いて本会議採決にかける「中間報告」という強硬手段に踏み切る構えです。

国会前で抗議行動

 「社保庁解体で国の責任逃れは許さない」。社保庁解体・民営化法案強行の二十八日夜、国会前に集まった全労連や国公労連の労働者は怒りのこぶしを突き上げました。

 国公労連の福田昭生委員長は「消えた年金問題の検証を待って法案を作り直すべきだ」と批判。激励した日本共産党の小池晃参院議員は「社保庁解体をやめて、消えた年金問題の解決に全力をあげることこそ国会の責務だ」と訴え。井上さとし参院国対委員長は「暴挙に暴挙を重ねることは許さない。最後までたたかいぬく」とのべました。

国の責任放棄許されぬ

市田書記局長が批判

 日本共産党の市田忠義書記局長は、与党による社保庁解体法案などの強行採決後、記者団に対し「いったい何回強行採決すれば気が済むのか」と怒りを込めて糾弾し、「(『消えた年金』問題の)真相解明と一人の被害者も出さないためにどう解決するか、政治的立場の違いを超えて知恵を出し合うという議論が深まり始めたところで、社保庁を解体してしまう法案を強行する。国の責任を放棄してしまうことになり許されない」と批判しました。

 市田氏は、安倍内閣不信任決議案の対応について問われ、「当然不信任に値するから、提出されれば賛成するし、問責決議案も当然だすべきだ」とのべました。



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