2007年6月20日(水)「しんぶん赤旗」

刑事訴訟

被害者参加の問題指摘

仁比議員反対討論 参院委で「改正」案可決


 刑事訴訟法等「改正」案が十九日の参院法務委員会で、自民、公明、民主各党の賛成多数で可決されました。日本共産党、社民党は反対しました。「改正」案は、刑事裁判へ犯罪被害者が出席し、被告人への直接の質問や求刑を可能にすることを盛り込んでいます。

 討論で日本共産党の仁比聡平議員は、被害者が刑事裁判へかかわること自体は「憲法一三条で保障されたもの」であり、制度の具体化は必要であると強調しました。

 しかし、法案は「被害者の位置付けが定かでなく、検察官のコントロール下に被害者を取り込むことになる」と指摘。「真実の発見と適正な量刑を導くもっとも有効な方法として積み重ねてきた近代刑事訴訟の根本を壊す恐れがある」とのべました。

 また、「警察や検察による不当・違法な被害者処遇が刑事司法全体への被害者・遺族の怒りや不信の要因になっていることを政府は猛省すべきだ」と指摘。「被害者の権利を拡充し、国の責任で被害を回復する制度の充実は喫緊の課題だ」として、実現にむけて努力する決意をのべました。

 民主党は、刑事裁判に出席した被害者の意見陳述は、具体的な量刑には及ばないことなどを盛り込んだ修正案を提案。日本共産党、社民党は賛成しましたが否決されました。


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