2007年6月17日(日)「しんぶん赤旗」

米三大自動車会社

大幅な賃下げ案

“日本並み”労働コスト狙う


 【ワシントン=山崎伸治】九月で期限切れを迎える米三大自動車メーカー(ビッグスリー)と全米自動車労組(UAW)の労働協約の改定交渉が七月に始まるのを前に、メーカー側は大幅な賃金カットを提案する方針を固めています。トヨタやホンダ、日産など米国に進出した日本のメーカーとの「賃金格差是正」を理由に掲げて、いっそうのリストラを労働者に迫る構えです。

 十四日付の米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルがビッグスリー関係者の話として報じ、それを受けて主要メディアも取り上げています。

 それによると、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、クライスラーは、年金や医療保険も加え、労働者一人一時間当たり現在七十―七十五ドル(約八千六百―九千二百五十円)の労働コストを、日本のメーカー並みの四十―四十五ドル(四千九百―五千五百五十円)にまで切り下げたいとしています。

 ビッグスリーのある役員は同紙に対し、賃金格差の「すべてとはいかないまでも80%は削減する必要がある」として、それができなければ「工場や従業員への投資を海外に移転する」ことを検討すると述べています。

 これに対し、ビッグスリーに二十一万人の組合員を有するUAWはまだ公式な態度表明をしていません。

 米国の自動車産業は国内の販売台数の伸び悩みから、フォード、GMがこの二年間に米国内の工場を相次いで閉鎖。UAWは約七万人の組合員が職を失っています。年金や医療保険の改悪をめぐっても譲歩を繰り返してきました。



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