2007年6月16日(土)「しんぶん赤旗」

歴史歪曲やめよ 9万人署名

沖縄戦「集団自決」の軍関与削除

教科書検定問題 文科省に要請・集会


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(写真)積み上げた署名の束を前に発言する集会参加者ら=15日、東京・千代田区

 「沖縄戦の歴史歪曲(わいきょく)を許さない! 沖縄県民大会実行委員会」は十五日、二〇〇六年度の高校教科書検定で沖縄戦の「集団自決」に関する日本軍関与の記述が修正・削除された問題で、文部科学省に検定経過の公開などを求めました。検定の修正指示を撤回し、「軍命」が記述された申請時の文章に戻すよう求めた署名、九万二千三百三十八人分を一次分として、文科省と参加した各国会議員に提出しました。

不誠実な対応

 その後、国会で開かれた集会には約百八十人が参加。「文科省の不誠実さにますます怒りを持った。きょうの集会は抗議集会に近くなる」との怒りの声で始まり、検定意見撤回への決意を固め合いました。

 松田寛沖縄高教組委員長は「私たちは沖縄戦の歴史歪曲を許すわけにはいかない。最後までがんばっていきましょう」と主催者あいさつ。会場いっぱいの参加者から「そうだ!」の掛け声と大きな拍手が起きました。

 福元勇司実行委員会事務局長は審議官とのやりとりを報告。審議官は「沖縄戦に関して日本軍の関与、日本軍の責任があったことは明白」だとのべる一方、「これまで軍の隊長関与があったとされていたが、今回関係者の証言があり、隊長命令は断定できない」とし、今回の検定意見の根拠になったとのべたことを紹介しました。

 福元さんは「これは(問題の)すり替えだ」と批判。「いま、教科書検定で起こっていることを子どもたちに語りかけていただきたい」と訴えました。

怒りを全国に

 実行委員会呼びかけ人の高嶋伸欣琉球大学教授は情勢報告のなかで、過去二回、検定意見が撤回された例を挙げながら、「自信を持って撤回を求めていきたい」と運動を広げていることを紹介。

 沖縄平和運動センターの山城博治事務局長は「安倍首相が沖縄に来るという二十三日、大集会を構えて沖縄の怒りを全国に発信すべきだ」と力を込めました。

 知り合いのおじから手榴(しゅりゅう)弾を渡され、「自決寸前までいったが、命拾いして、いまここにいる」と切り出した沖縄戦体験者の瑞慶覧(ずけらん)長方さん(75)は「最後は大衆が勝つ信念でたたかう」と決意を語りました。

 要請に参加した「沖縄の真実を広める首都圏の会」の呼びかけ人、石山久男さんは「沖縄県民の怒りの根深さを改めて感じた。この怒りを首都圏の多くの方々と共有しながら、撤回を要求していく」とのべました。

 集会に日本共産党の赤嶺政賢衆院議員と仁比聡平参院議員が参加。仁比議員は「沖縄戦の真実は日本と沖縄の歴史、太平洋戦争の本質にかかわる重大な事実。厳然たる事実をゆがめることは許されない」と連帯の意を表明。民主、社民両党の国会議員も参加しました。



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