2007年6月15日(金)「しんぶん赤旗」

「日の丸・君が代」

権力介入許すのか

東京 予防訴訟控訴審を開始


 「日の丸・君が代」への起立、斉唱を教職員に強制する東京都教育委員会の「10・23通達」(二〇〇三年十月)に対し、都立学校の教職員四百一人(控訴審で四人が訴え取り下げ)が斉唱義務はないなどとして訴えた「予防訴訟」の控訴審第一回口頭弁論が十四日、東京高裁(都築弘裁判長)で始まりました。原告側弁護団が陳述しました。

 澤藤統一郎弁護士は裁判所に対し、「この訴訟のもっている憲法訴訟としての重みを理解していただきたい」と訴え、教育現場において、行政権力が国民の精神や教育内容に立ち入ることができるのかが問われているとのべました。憲法の基準に照らして、行政の違憲・違法な行為を裁くことが司法の最大の職責だとし、「その職責を適正に果たし得るか否か。司法自体も試され、裁かれている」とのべました。

 加藤文也弁護士は、通達は思想・良心の自由や教育の自由にかかわるとして違憲・違法と判断した一審の東京地裁判決(〇六年九月)の意義を語り、原告が一人ひとりの意思で立ちあがった裁判であることを指摘。「本事件は少数者の人権をいかに保障するかという問題」だとのべました。

 一審判決は「日の丸」への起立や「君が代」斉唱、ピアノ伴奏の義務はないとし、起立しないことなどを理由に処分してはならないと判断。これに対し、都と都教委は控訴していました。



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