2007年6月13日(水)「しんぶん赤旗」

政治資金規正法違反の疑い

赤城農水相に献金

全農など補助金交付法人

紙議員追及


写真

(写真)質問する紙智子議員=12日、参院農水委

 赤城徳彦農水相が、農水省の補助金を受けている法人から政治資金規正法違反の疑いがある献金を受けとっていたことが十二日、明らかになりました。参院農水委員会で日本共産党の紙智子議員がみずからの調査にもとづいて追及したもの。

 政治資金規正法二二条の三項は、「国からの補助金の交付を受けた会社、法人は、その交付の決定の通知を受けた日から一年間、寄付をしてはならない」、また「補助金の適用を受けることを知りながら、寄付の勧誘、要求をしてはならない」としています。

 紙議員が明らかにしたのは、社団法人「中央酪農会議」、組合法人「全国農業協同組合連合会」(JA全農)がそれぞれ、「生産振興総合対策事業推進費」「なたね契約栽培推進対策事業費」などの補助金交付を受ける一方で、赤城農水相が支部長の「自民党茨城県第一選挙区支部」に計三十万円の献金をしていたことです。(図参照)

 また、林野庁の補助金を受けている社団法人「全国木材組合連合会」の会長が代表者を務めるなど一体の政治団体、「全国木材産業政治連盟」は、赤城農水相の資金管理団体「徳友会」に計九十四万円の献金をしていました。

 紙議員は、赤城農水相が、規正法の規定について、「具体的なことは存じあげていない」と答弁したことを、「驚きだ。JA全農などが農水省から補助金を受けていることを知らないとは農政通を自任している大臣としていかがなものか」と厳しく批判。「これらの献金は、規正法違反の疑いがあり、補助金交付を受けている法人、団体からの献金は『税金の還流』以外のなにものでもない。即刻、返却すべきだ」と追及しました。

 赤城農水相は、「(政治資金は)適切、適正に処理するよう(秘書に)指示しているが、調査のうえ、適切に処理していきたい」と答えました。

 紙議員は、赤城農水相が「緑資源機構」官製談合事件に関連した企業でつくる政治団体「特森懇話会」からの二十六万円、林業関連の政治団体「林土連懇話会」からの四十万円をそれぞれ返却したことを指摘。全国森林組合連合会と一体の政治団体「全国林業政治連盟」から赤城氏側が二〇〇三年から三年間で計五十六万円の献金を受け取っていることも示し、「林業関連の政治団体からの献金はすべて返却すべきだ」と迫りました。

 赤城氏は「多くの人の善意でなりたっている。それらの善意を裏切らないよう処理したい」とのべるにとどまりました。

図


■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp