2007年6月13日(水)「しんぶん赤旗」

防衛相、自衛隊文書裏付け

国民監視問題　緒方議員質問

全容解明を要求

　日本共産党の緒方靖夫議員が十二日の参院外交防衛委員会で、自衛隊による国民監視活動を記録した内部文書の問題で追及したのに対し、久間章生防衛相は、同内部文書の信憑（しんぴょう）性を裏付ける発言を繰り返しました。

（写真）質問する緒方靖夫議員＝12日、参院外交防衛委

　緒方氏は、久間防衛相が内部文書について“三週間で破棄していい文書だから調べようもない”と言い訳していることについて、その根拠を追及。久間防衛相は「共産党が発表した文書の中に書いてある」と述べ、日本共産党の志位和夫委員長が記者会見（六日）で明らかにした内部文書そのものを根拠にしていることを明らかにしました。

　さらに緒方氏が、全容解明を求めたのに対し、久間防衛相は「（今回の内部文書の）その内容と、うちで調べた内容が合っていた場合には、こちらの文書の処理の仕方、情報のとり方、扱い方に（支障が出てしまい）非常に問題がある」と述べ、全容解明を拒否しつつも、同文書が自衛隊によって作成された可能性を強く示唆しました。

　緒方氏は、今回の内部文書について、情報保全隊内でも一部の職員しか知ることのできない「注意」の秘密区分が指定されていることを指摘。防衛省の守屋武昌事務次官も「本来は手の内のもので、表に出るべき資料ではまったくない」と述べていることを挙げ、全容解明を拒否するのは、文書が保存されていないからではなく、「自衛隊の調査の関心、ターゲット、やり方が（国民に）分かってしまうからだ」と批判しました。

　さらに緒方氏は「東北方面情報保全隊長」と、配布先になっている「情報保全隊長」らの参考人招致を要求しました。