2007年6月9日(土)「しんぶん赤旗」

温暖化防止

具体的行動促す

議長総括発表 G8サミット閉幕


 【ハイリゲンダム=中村美弥子】ドイツ北東部ハイリゲンダムで開かれていた主要八カ国首脳会議(G8サミット)は八日、最大の焦点である温暖化対策で、二〇一三年以降のポスト京都議定書の温室効果ガス削減に向けた国際社会の具体的な行動を訴える議長総括を発表し閉幕しました。議長総括は、北朝鮮に対し、拉致問題の早期解決を迫りました。

 ドイツのメルケル首相は同日午後議長総括を発表した会見で、「温暖化対策で前進をみた」とし、国連のプロセスのなかで今後の行動を進める道筋を示したことを成果としてあげました。

 今回のサミットで温暖化対策では、京都議定書から離脱した米国や、これまで削減義務を負っていなかった途上国の中国、インドなど主要排出国が新たな枠組みづくりに参加することでも一致しました。

 七日の世界経済に関するサミット宣言は、「気候変動に取り組むために強力で早期の行動を取ること」を強調し、五〇年までに排出量半減を「真剣に検討する」ことを盛り込みました。

 この問題では、削減の明確な数値目標設定を主張するドイツなど欧州と、これに反対する米国が対立していました。サミットでの協議や二国間会談で話し合いを重ねた結果、米国が「半減」の言葉が盛り込まれた文書への合意に歩み寄りました。

 八日午前に行われた中国やインドなどの新興五カ国との対話で、G8側は温暖化対策での立場を説明し、対話の継続を要請。新興国側からは、「共通だが差異ある責任」に基づいて協力していく意向が示されました。

 G8首脳はアフリカ諸国とも対話。エイズやマラリア、結核などの病気への対策として、六百億ドル(約七兆二千六百億円)の資金援助を行うことで合意しました。



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