2007年6月4日(月)「しんぶん赤旗」

G8の経済政策に反対

独で8万人がデモ

貧困なくせ 民営化中止


 【ロストク(ドイツ北東部)=中村美弥子】第三十三回主要八カ国(G8)首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)の開幕を四日後に控えた二日、サミット会場に近いメクレンブルク・フォアポンメルン州のロストクで、G8の新自由主義政策に反対し、公正な経済秩序と環境保護の強化を求める大規模な集会とデモがありました。


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(写真)創意を凝らした人形を持ってデモ行進する参加者=2日、ロストク(中村美弥子撮影)

 ドイツや欧州の平和団体や環境保護団体、反グローバル化組織、労働組合などが主催。独全土だけでなく、欧州各地から約八万人(主催者発表。警察発表は二万五千人)が集結し、港に向けて行進しました。

 デモ出発点の中央駅前の広場は、「貧困を過去のものに」「民営化ストップ」「独軍をすぐ帰還させよう」などのスローガンを書いたプラカードや横断幕を持った参加者で埋め尽くされました。

 ベルリンに住むルイーザ・プラウゼさん(19)とエリザ・ディアンソンさん(20)は、「先進国の途上国支援は不十分だ」と言います。「八カ国だけで国際経済について話し合うというのは、民主的ではない。国連の枠で市民社会や専門家を交えればいい」と思いを語りました。

 「気候変動とのたたかいは一刻の猶予もできない問題だ」と話す南部バイエルン州ビュルツブルクから来たヨヘンさん(26)は、「強い決定力を求めたい」と力を込めました。南西部バーデン・ビュルテンベルク州ハイデルベルクから参加したレナテ・ボルフさん(54)は、「将来の世代のために国家間と国内の貧富の格差をなくしてほしい。今のような途上国を犠牲にする経済発展の仕組みを変える必要がある」と強調しました。


主催者  暴力行為を批判

 二日のデモ行進の終着点近くで、参加者の一部が火炎瓶や石を投げ付け、警察隊と衝突。警官、デモ隊双方で約千人が重軽傷を負い、デモ参加者百六十五人が身柄を拘束されました。

 デモ行進の主催者らは、平和的に始まったデモが暴力に発展したことを非難。独「アタック」の代表は、「われわれは暴力を正当化せず、距離を置く」と独メディアに語りました。



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