2007年6月4日(月)「しんぶん赤旗」

年金対策

与党案は解決の道示さず

NHK番組で小池政策委員長


 日本共産党の小池晃政策委員長が三日出演したNHK「日曜討論」では、年金問題と「政治とカネ」問題で、各党代表と討論になりました。

 小池氏は、自民・公明与党が社会保険庁解体・民営化法案と「時効特例法案」を衆院で強行可決したことについて、「年金問題解決の手だて、段取りなど大事なことがはっきりしない。国民不信をあおるやり方だ」と批判。「この間の安倍政権は、暴走しながら勝手につまずいたり、うろたえて右往左往している。国民から見れば、政治を任せる資格と能力が問われている」と述べました。

 政府・与党の年金問題の対策について、小池氏は「解決する道筋が示されていない」と政府・与党案を批判し、二つの問題を指摘しました。

 一つは、「宙に浮いた五千万件を一年以内で調べる」問題です。小池氏は、調査対象が、年金受給者だけなのか、現役世代を含めて全部やるのかあいまいな上、政府・与党案が「氏名・性別・生年月日」の条件一致しか調査対象にしていないことを挙げ、「名前が違ったら排除される。きわめて不十分。一年でできる範囲の仕事しかしないことではないのか」と指摘しました。

 さらに小池氏は、国が持っている年金情報を加入者に示さないやり方を批判。「内容を示さずに、『あなたに同一人物と思われる記録がある』とだけいって、あとは加入者に思い出させるのでなく、情報の中身そのものを示す必要がある」と提起しました。

 もう一つの「消えた年金」問題―台帳にはあるが、コンピューターには年金記録がない問題―では、年金記録の照合作業は何十年もかかる大変な作業であることを指摘し、「これが終わらないのに社会保険庁をなくすというが、誰が責任を持つのか」と述べました。

 この日の番組では、自民党の丹羽雄哉総務会長、公明党の坂口力副代表、民主党の菅直人代表代行ら歴代厚相、厚労相経験者が出席しました。丹羽、坂口両氏が「(社会保険庁は)親方日の丸でまったく働かない」などと責任転嫁の発言を繰り返したことに対し、小池氏は、「社会保険庁の最高責任者は厚生労働相だ。親方はあなた方ではないか。問題が起きたときに、社長が『社員が悪い』と責任を押し付けるようなものだ」と批判しました。

 また小池氏は、社会保険庁解体・民営化法案では、「年金相談、年金教育・広報、情報提供等の事業を保険料で行うことができる」となっていることを紹介し、「今回のような年金が心配だという相談も全部保険料でできるという法案だ。これから先、どんどん保険料の流用が拡大していく仕組みになっている」と批判しました。

 また、小池氏は、法案では、国民年金保険料を払わなければ、国民健康保険の保険証まで取り上げることまで盛り込んでいる問題を指摘。「取り立ての方だけ、しっかり仕組みをつくっておいて、国の責任は投げ捨てる。こんな法案は通すわけにはいかない」と力説しました。

政治とカネの真相解明を

 政治とカネの問題について、小池氏は、「制度いじりの議論でごまかすのではなく、真相の徹底解明をしないといけない」と発言。松岡利勝前農水相の事務所費、光熱水費の問題、背景にある緑資源機構疑惑に関連して松岡前農水相への一億三千万円の献金問題に触れ、「安倍晋三首相の任命責任、辞めさせなかった責任は大きい」と批判しました。その上で、「緑資源機構の事業を受注した企業からは、自民党だけでなく、民主党の議員も献金を受け取っている。徹底的な真相解明を求めていきたい」と述べました。



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