2007年6月2日(土)「しんぶん赤旗」
グアンタナモ米軍収容所
サウジ「容疑者」自殺
人権擁護組織は非難声明
【ワシントン=山崎伸治】キューバにあるグアンタナモ米軍基地内の収容所に拘束されているサウジアラビア人が三十日に自殺したことがわかりました。同基地を管轄する米南方軍司令部が同日夜、発表しました。
自殺したのは元サウジアラビア兵の男性で、同収容所に二〇〇二年二月から拘束されていました。拘束された人たちの弁護活動を行っている民間組織「憲法的権利センター」によると、この男性はブッシュ大統領に対する集団訴訟に加わっていたものの、弁護士の接見は認められていませんでした。
ニューヨークの人権擁護組織「ヒューマン・ライツ・ファースト」は三十一日、声明を発表し、「この死は防ぎえた悲劇だ」として、「長期間の専制的な拘束は道義的、外交的、法的、政策的誤りだ」とブッシュ政権を非難しました。
同収容所では二〇〇六年六月にもサウジアラビア人二人、イエメン人一人の計三人が自殺しました。それを受けて、米軍が「テロ容疑者」を裁判にもかけず、長期間にわたって同収容所に拘束し、劣悪な環境の下に置いていることに、国際的な批判が一気に強まりました。
米軍はその後、一部の「容疑者」をそれぞれの本国に送還しましたが、現在も三百八十人ほどが拘束されたままです。ゲーツ米国防長官は三月末の議会証言で、同収容所の閉鎖を検討すべきだとの考えを表明しています。

