2007年5月31日(木)「しんぶん赤旗」

こんろ火災 製品に問題

メーカー責任 国が認める

本紙が報道 塩川議員追及


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(写真)質問する塩川鉄也議員=30日、衆院経済産業委

 体や物が触れただけで、小形キッチンユニット用電気こんろの飛び出したスイッチのつまみが回り、知らぬ間に電源が入ったことによる火災が多発している問題で、経済産業省は三十日、製品自体に問題があると認め、業界を指導していくと表明しました。衆院経済産業委員会で、日本共産党の塩川鉄也議員の質問に答えたものです。

 電気こんろによる同種火災は、総務省消防庁が把握しているだけで、この十二年間に六百二十件にものぼっています。東京消防庁が改修を繰り返し求めるなどの世論に押され、業界もスイッチ操作部の改修をしてきました。ところが、日立などのメーカーや業界団体は「使用者の誤使用・不注意」「製品の欠陥ではない」として責任を回避してきました。この問題が本紙報道(四月二十六日付、一部地域四月二十三日付)で明るみにでて、大きな問題になってきました。

 塩川議員は、スイッチ操作部の改修を始めて長期間たつのに、いまだに二十万台以上も未改修という状況を示して、改修の遅れに事故原因は使用者の側にあるとして自らの責任を認めない事業者の認識の問題があると指摘。国が「製品に起因する事故」と認めているのか、と追及しました。経産省の松井英生商務流通審議官は「製品自体に問題あり」と、これまでの業界の見解をくつがえす答弁をして、メーカーの責任を認めました。

 甘利明経産相は、「把握台数を増やし、改修率をあげる作業を指導している」「遅れている事業者には、どういう把握をしているのかをつかみ、指導していく」と答えました。

 所有するアパートで火災被害を受けた男性(61)=東京都豊島区=は「私はこれまで何回も欠陥商品じゃないかと、国、メーカーにいってきたが、使用者のせいにされてきた。塩川さんの質問でやっとメーカーの責任が認められた。画期的なことだと思います。メーカーは、改修はサービスだという姿勢でなく、メーカーの責任だとして、ただちに徹底的に改修すべきです」と話しています。


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