2007年5月30日(水)「しんぶん赤旗」
大企業誘致の補助金
“必ずしも有効ではない”
政府の「ものづくり白書」
大企業を呼び込むため、自治体による補助金ばらまき競争が激化していますが、政府の白書が、「補助金効果」に疑問を投げかけています。この白書は、経済産業、厚生労働、文部科学の三省がまとめた二〇〇六年版「ものづくり白書」。政府が二十九日の閣議で決定しました。
同白書によると、企業誘致のために限度額十億円以上の補助金制度があるのは〇六年現在、三十三道府県にのぼります。全国四十七都道府県の七割です。
白書は、「近年、誘致企業に対する補助金の大型化が進展している」現状を指摘したうえで、「必ずしも企業誘致に有効とは言えない」としています。企業が立地環境として重視しているのは「高度技術人材の確保」「市場への近接性」「原材料入手の便」「関連企業への近接性」など、としています。
かつて内閣府がまとめた「地域の経済2005」でも、「補助金額が大きいからと言って、工場立地件数が多くなるという明確な関係は確認できない」と分析。雇用への波及効果についても「雇用面をみると、補助金の効果が明確に現れているとは言い切れない」と指摘していました。
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