2007年5月17日(木)「しんぶん赤旗」

サルコジ大統領就任

「人権・環境を外交で優先」

フランス


 【パリ=浅田信幸】フランス第五共和制六代目の大統領に、保守の国民運動連合(UMP)前総裁のニコラ・サルコジ氏(52)が十六日、正式に就任しました。新大統領誕生は十二年ぶりで、任期は五年です。

 サルコジ新大統領は、大統領府エリゼ宮での就任式の演説で、「人権擁護と気候温暖化とのたたかいをフランス外交の優先課題にする」と表明しました。また、「平和のために活動しフランスの価値を世界に広げた」とシラク前大統領の活動を称賛。従来の外交路線を基本的に踏襲する意思を明らかにしました。

 国内問題では「フランス人の結集」と「過去の行為との決別」が必要だとし、選挙中の公約であった「労働、努力、功績、尊重の価値を再建する」ことを列挙。労働界に反発の強い解雇・残業規制の緩和などの新自由主義的「改革」を進める決意を示しました。

 新大統領は就任式終了後、直ちに欧州連合(EU)議長国のドイツに飛び、EU機構改革・新条約作成でメルケル首相と会談する予定です。

 閣僚名簿は早ければ十七日に発表されます。新首相には、二〇〇三年の年金改革を実行したフィヨン元社会問題・雇用・連帯相の指名が確実視され、元社会党閣僚のクシュネル氏の外相指名もとりざたされています。

 「行動的」であることと「開放姿勢」を見せ付けるサルコジ政権の船出には、財界寄りとの強い批判もあります。予想される労組との対立などで、どう国民的な理解を得るか、政治手腕が問われることになります。


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