2007年5月15日(火)「しんぶん赤旗」

アイスランド総選挙

与党 辛うじて過半数

環境問題訴え 左翼政党が躍進


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 【ロンドン=岡崎衆史】十二日開票されたアイスランド総選挙で、中道右派連立与党は後退したものの、辛うじて過半数を確保しました。一方、左派の「左翼緑運動」が躍進しました。この選挙では、連立与党が推進するアルミニウム製錬工場建設問題などの環境問題が争点となりました。投票率は82%で前回の88%を下回りました。

 同国では一九九五年から独立党と進歩党の連立政権が続いていました。今回、連立与党は議席では定数六十三のうち三十二議席を獲得しましたが、得票率では48・3%にとどまりました。ハーデ首相率いる独立党は前回二〇〇三年の総選挙比2・9ポイント増の36・6%の得票率で三議席増の二十五議席を得ましたが、連立相手の進歩党が同11・7%(6ポイント減)で五議席減らして七議席となり、与党全体で二議席の後退となりました。

 一方、野党側は最大野党の社会民主同盟が26・8%(4・2ポイント減)の得票で二議席減の十八議席に後退し、自由党が7・3%(0・1ポイント減)で現状維持の四議席。これに対し左翼緑運動は前回二〇〇三年の8・8%、五議席から、14・3%、九議席に躍進。野党全体としては二議席を増やしました。

 選挙結果により、独立党、進歩党が連立を維持できるかどうかは不透明となっています。

 左翼緑運動は、アルミニウム製錬工場や水力発電用のダム建設への反対運動を展開し、環境破壊に懸念する有権者の支持を得ました。同党はまた、福祉、教育、人権が重視される公正な社会づくりを訴えるとともに、軍事同盟の北大西洋条約機構(NATO)からの脱退を主張しています。

 アイスランドは大西洋の北極圏に接する世界最北の島国で、人口は約三十万人。非核・非武装国家ですが、一九四九年にNATOに加盟、〇六年九月まで米軍部隊が駐留していました。


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