2007年5月2日(水)「しんぶん赤旗」

統一協会

中南米 土地買い占め <上>

霊感商法も資金源に


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(写真)パラグアイ進出を伝える日本統一協会発行の「中和新聞」2月15日付。誘拐事件は1カ月半後に発生

 パラグアイで発生した統一協会幹部らの誘拐事件。身柄は解放されましたが、背後関係の解明はこれからです。事件により、統一協会による中南米の土地買い占めが改めて注目を集めています。

 誘拐されていたのは太田洪量「ビクトリア」社長。長年、全国大学原理研究会(統一協会の学生組織)の会長を務めた、日本統一協会最高幹部の一人です。ビクトリア社は土地管理会社とされていますが、実態は統一協会のダミー。協会の所有地を管理しています。

 統一協会のホームページ(HP)によると、パラグアイで所有しているのは千葉県の面積より広い六十万ヘクタール。隣接するブラジル、ウルグアイでも大規模に所有しています。

90年代から

 中南米での土地買い占めが表面化したのは一九九〇年代前半。教祖文鮮明が号令した「地上天国を築く」プロジェクトでした。

 土地買収とともに「宣教」や「ボランティア」と称する活動や、各国要人、宗教指導者らを招待する大規模イベントを中南米各地で開催しました。

 一九九六年六月にサンパウロで開いた「ワールド・ユニフィケーション(世界統一)グループ国際展示会」には「霊感商法に使われた壷などの輸入元だった日本の貿易会社『ハッピーワールド』、韓国で高麗人参茶などを作っている『一和』、米国の保守系紙ワシントンタイムズ、さらに建設用機械、コンピューター機器の会社」など統一協会のダミー企業・団体が集結(朝日新聞九六年八月三十一日付)。展示会場責任者は「国や自治体の事業の受注を促すのが狙い」(同)と語っています。

地元と摩擦

 その一方、土地買収や拠点建設をめぐる地元との摩擦も最近まで頻発しました。世界反共連盟(WACL・六七年発足、統一協会も関与)の中南米組織など、親米右派グループの活動とのかかわりを指摘する情報が流れたこともあります。

 統一協会の最大の資金源は日本。万物復帰(すべての物は本来神のものであり、神=文鮮明に復帰させることで救いが与えられる)という“教義”で信者を献金や霊感商法にかりたてて集めた資金です。これが中南米での土地買い占めの資金にもなったと考えられています。(つづく)


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