2007年4月25日(水)「しんぶん赤旗」

学力テスト

「できない子 悲しくなる」

親も子も点数競争に不安


 二十四日に実施された全国一斉学力テスト。子どもと学校を競争に巻き込み、家庭環境も含めた個人情報が国や受験産業に渡ることへの不安が広がりました。

 大阪市の中学三年生の母親(43)は、新日本婦人の会の仲間たちと学力テストの中止、実施した場合も個人情報を守ることを教育委員会に要請。中学校に対しては「学力テストは調査だから強制力はない」ということを子どもたちに知らせてほしいと申し入れてきました。「運動の結果、大阪市でも無記名になったことは大きな成果です。でも、子どもたちにきちんとした情報が与えられないまま実施されたことにはとても怒りを覚えます」といいます。

 中学三年生と小学六年生の子を持つ埼玉県所沢市の女性(40)も教育委員会への申し入れに取り組んできました。テストを終えて帰宅した六年生の子は「午前中いっぱいテストですごく疲れた。できない子は悲しくなると思う。落ち込んでいる子もいた」と話したといいます。

 「小学生には何のためのテストか説明もなかったようです。点数だけで競争させられ、否定的な結果が出るようなものをやらされるのは子どもたちにつらいものになると思います。こんなことより先生が子どもと触れ合う時間をつくってほしい」と語りました。

 前出の母親はいいます。

 「今後、学校別の成績を公表させないという点で、どう世論をつくっていくのかが大切だと思います。親の間で情報を伝え、語り合っていく中で仲間を急いで広げていきたいと思います」



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp